『イノセント・ピープルー原爆を作った男たちの65年』

神戸演劇鑑賞会の例会で7月4日(金)に見ました。
台本を読んだときは、登場人物も多く、しかも時代がぽんぽんと変わるので、付いていくのが大変ではないかと思っていましたが、それは全くの杞憂でした。
前もって台本を読んでいた所為か、舞台の流れが非常に分かりやすく伝わり、それゆえに全体を通じて緊張して見ていました。
それは演じている役者の力量でもあります。
限界はあるものの、20代と50、60代を演じ分けていました。80,90代はやはりちょっと無理でしたが、十分に力演だと思います。
特に、芝居を見る前に遠藤さんにお会いしたこともあり、ブライアン・ウッドを演じた遠藤さんに拍手です。
でもこの芝居の一番は、やはり畑澤さんの周到な台本が大きな力であると思います。
ロスアラモス五人の設定、その家族関係が絶妙で、原爆と米国の世界戦略の矛盾が見事に浮き彫りになりました。
これは神戸と京都で上演されるだけと利きましたが、全国の演劇鑑賞会の例会にしてほしいと思います。
ちょっと危惧する点と言いますと、あのアジア太平洋戦争の性格づけを、侵略戦争であると明確にして共通するべき背景にするべきと思います。
会員でそんな人はいないと思いますが、もし日本がおい込められた自衛的な戦争であると思っている人がいれば、全然意味の違う芝居として受け止められる、と思います。
ともかく、近年見た芝居として、私の一番です。