報道の自由

5月28日、兵庫県弁護士会の「憲法違反の『安保法制』&『特定秘密保護法』廃止」集会に行きました。
神戸新聞社労組の委員長の報告で、日本の報道自由度は72位となったとありました。国境なき記者団が毎年公表しているものです。
気になって調べてみると、民主党政権時、2010年が11位で、第2次安倍政権以後どんどん下がっています。韓国(70位)香港(69位)よりも下です。
1位フィンランド、2位オランダ、以下ノルウェーデンマークニュージーランド等、欧州諸国が上位に多くいます。米国は41位でした。
意外なことにイタリア(77位)です。アジアでは台湾(51位)モンゴル(60位)が上位でアセアン諸国もカンボジア(128位)インドネシア(130位)で他はそれ以下です。
アフリカ諸国がナンビア(17位)ガーナ(26位)とアジアよりも上位にいます。
特定秘密保護法
日本の位置が下がっているのは特定秘密保護法のためです。
「意見及び表現の自由」の調査を担当する国連特別報告者ディビッド・ケイ氏は、来日して、国の当局者、NPO、ジャーナリスト、弁護士など議論を交わしています。同法によって「報道の独立性は重大な脅威に直面」「重大な社会的関心事のメディア報道を委縮させる効果を生んでいる」といっています。(国連広報センター)
自民党の狙いはそこにあるから、効果抜群と思っているでしょう。
朝日新聞は4月20日〜29日のコラム「教えて!ニュースキャスター」で、NHKと在京キー局の報道番組のキャスター7人に取材しています。
NHKの河野憲治さんや日本テレビ村尾信尚さん、富川悠太さん、テレビ東京大江麻里子さんは、きわめて能天気で「外から圧力を感じたり、萎縮して忖度したり」はない。「圧力を感じて自分たちの意見を曲げるとか発言を控えたことも1回も」ない。「『こういうな』といわれたことは一切ない」(政治的公平性について)「伝える側が慎重になる義務がある」といいます。
TBSの星浩さんは「権力を監視すること」、BS11の寺島実郎さんは「『黙れ』といわれているわけではないのに、メディアが考えていないことが問題」、若いフジテレビの市川紗椰さんは「政治的公平性はそもそも存在しない」と言い切ります。
前4社の報道番組は、こういう感覚で作られていると思ってみなければなりません。