2017年明けましておめでとうございます

「半睡半醒日誌」をいつもご覧いただきありがとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
最近の年賀状には、前年の良かった映画と本を三つずつ上げています。2016年は映画は『明日へ』『オマールの壁』『何者』です。本は「自然を解剖する」「悪夢の食卓」「広島カープ全史」です。
ここで、簡単な紹介をしておきます。
『明日へ』
市民映画劇場で上映した韓国映画です。

韓国で実際にあった労働争議を基に作られた映画です。
スーパーマーケットのレジ係り等で働く女性たちが、突然クビを宣告されます。彼女たちはそれに対して労働組合をつくって生活と権利、何よりも自分達の誇りを守るためにストライキで闘います。
労働組合の全国組織の支援も得て長期のストを打ちますが、会社側にたつ警察に逮捕されたり、資金もなく闘いは潰されます。
組合幹部が首になるなど不十分さはありますが、大多数の雇用は確保されます。
仲間を信じることだけが自分達を守る力だと感じました。
『オマールの壁』
パレスチナの若者オマールの恋を描きました。


日常的にイスラエルがどのようにパレスチナの人々を弾圧しているのか、若者の恋さえも、イスラエルの秘密警察によってむちゃくちゃにされます。
壁は、イスラエルの入植地とパレスチナ人を隔てるものとばかり思っていました。違います。
イスラエルパレスチナ人の生活を邪魔するためにパレスチナ人の生活エリアに壁をつくり、彼らの心に分断の楔を打ち込みます。
こんなことが許されるのか、戦闘地ではないところで、これほどパレスチナ人の誇りを傷つけているのか、イスラエルの側に立とうとしている日本人として知っておくべきです。
『何者』
就活に苦しむ若者たちを描きました。

働くことは人間にとってとても重要なことです。新規卒業して会社に入るのに昔はそんなに苦労しませんでした。
私たちの時は不況ではありましたから、1、2度失敗したりしても、人格が傷つくようなことはありません。
現代の若者は、この映画のような苦労をしているのでしょうか。
「自然を解剖する」池内了

私たちの生きている自然界の物質構造、銀河集団の宇宙から太陽系、そして生物界、原子核素粒子までをどのように成り立っているのか分かりやすく書かれています。
著者の池内先生の専門は宇宙物理学ですから、それは当然ですが、池内さんはいつも科学と社会、人間の生き方にまで目配りされていますから、このような科学の入門書も読みやすくなっています。
「悪夢の食卓」鈴木宣弘
副題が「TPP批准・農協解体がもたらす未来」となっています。

日本の国会はTPPを批准を承認しました。国民的にはまだまだ多くの疑問がありますが、いつものように安倍政権は強行採決しました。次の米国大統領トランプはTPP反対を明確にしているから、まだ暫くは時間はあるでしょうが、いずれ今以上に米国有利の「自由化」を押し付けられる、と私は思っています。
ここにTPPの本質が書かれています。全国紙がほとんど書かない農業破壊、国民の健康放棄、そして総がかりで国民をだまそうとする仕組みです。
「広島カープ全史」

2016年のシーズンは広島カープが25年ぶりにセ・リーグ優勝して本当にうれしかったです。そして本、雑誌もたくさん出されましたが、私が選んだのは1950年から2016年までを収録したこの本です。
1973年ごろからファンになっていましたから、まだまだ弱い時代に活躍していた選手、次代を担うのではないか、と期待した選手も多く知っています。
1980年代の黄金時代までに消えてしまった選手も載っています。懐かしい名前を捜して、しみじみと思い出していました。