11月の映画

11月に見た映画は『アンダー・ハー・マウス』『婚約者の友人』『シアター・プノンペン』『ブレードランナー2047』『女神の見えざる手』『バッカス・レディ』の6本でした。今月は神戸マラソンを走ったので、ちょっと少なめでした。
意外によかった
婚約者の友人』はシネサロンの題目だったので見ましたが、見てよかったです。いい映画で、今年のベスト作品の一つに上がります。
ちょっと紹介します。舞台は第1次世界大戦後のドイツとフランスです。予告編の見た目には恋愛映画でしたが、もっと深いものを感じました。

戦争中に殺した敵国人の家族を訪ねるというのが主なテーマです。フランス人青年が、戦場で出会って殺してしまったドイツ人青年の墓に参り、彼の家族と出会います。さらにその婚約者と心通わすようになってしまい、その婚約者がフランスまで尋ねてくる、という映画です。
まず、戦争中に殺した相手の墓と家族を訪ねるのは、どういう感覚か、と思いました。
主人公のフランス青年は貴族階級の、いわば無垢な人間です。デモさすがに家族の前では「息子さんを殺した男です」とは言えませんでした。殺した男の婚約者と親しくなる感覚も普通ではありません。
でも彼は、そこ婚約者に告白します。そして許しを請うのです。
そこからさらに映画は発展します。フランスに帰ったその男を、訪ねてきた女の心持は、婚約者を殺した男と分かっても慕う気持ちを持っていたのです。
それが、そのフランス男は理解できず、尋ねてきた女を田舎の豪邸に泊め、その時自分の婚約者を紹介するのです。これは恐ろしく無神経の男でした。
映画はさらりと撮っていますが、この映画の後、恐ろしいほどのドロドロした関係が続くのではないか、と思いました。人間の心情よく考えられた映画です。人生はどこでどうなるか分からない、と思いました。
『シアター・プノンペン』はいい映画でしたが、これは別に感想を書きます。
ちょっと切ない
バッカス・レディ』は韓国映画、その社会の底辺で人々はどう生きているのか、よく分かる映画でした。

高齢者相手の娼婦と彼女の周辺の人々、彼女の客となる人々が描かれています。
彼女の近くにはニューハーフがいて、片足のない障害者がいます。そして彼女は父親が不明のフィリピンの男の子を保護します。それだけでもいい話ですが、彼女の客となる男たちの悲哀も描きます。
韓国では高齢者が生き難い社会だと映画は言います。体が不自由になった男たちはみんな自殺志願で、彼女に自殺を助けてもらうと言う話でした。足すます。
女神の見えざる手』はけっこう面白く見ました。米国の政治を左右するロビイスト活躍ぶりを描きます。ハリウッド製ですからシナリオは上手で感動させるように描きました。
策略ありドンデン返しあり、意外な私生活あり、それでも最後は人生の誇りをかけて闘う、と描きました。安い感動でした。