「ベルギーの移民と多文化共生」

2月23日、3月例会『午後8時の訪問者』の例会学習会を、標記のタイトルで岩本和子神戸大学教授)さんにお話いただきました。
映画が現在のベルギーを舞台にし、死亡した移民の少女の正体を捜していく、というものですから、ベルギーを研究されている岩本さんにお願いしました。


ベルギーは三つの公用語(フランス、オランダ、ドイツ)をもち、3地域圏政府と3言語共同体からなる連邦制の国家、ゲルマンとラテンの境界に位置して、歴史的に移民労働者を受けれてきた国です。
産業革命以後、鉱山労働者としてイタリア、ポーランドから、そして戦後はスペイン、ギリシアさらにモロッコ、トルコ、アルジェリア等からも受け入れています。
首都ブリュセルはEU議会もおかれて、政治的にも文化的も欧州の中心地、十字路でもあります。
移民による多文化の共生を実現してきました。
しかし近年は難民の流入が増え、経済の変化、行き詰まり、あるいはテロもあり、多様で寛容な文化性が揺らいでいるようです。
『午後8時の訪問者』は、そのような背景を感じます。
映画サークルのHP(https://kobe-eisa.com/)に解説を載せています。