5月9日5月例会『夜明けの祈り』の学習会を開催しました。標記のタイトルで日本ポーランド協会関西センター代表の藤井和夫さんにお話していただきました。
わずか1時間半でしたが、ほとんど知らなかったポーランドの複雑な歴史の一端を知ることが出来ました。そしてポーランドが親日国であることも初めて知りました。遠い国のように思っていましたが、ポーランドの歴史の中に日本が出てくるのです。
強国から分割消滅
17,8世紀頃までのポーランドは中欧の強国でした。プロシアやロシアとの紛争でも優位にたっていました。オスマントルコと欧州の戦いでもポーランドは英雄的に戦いました。
ところが18世紀に入って周囲のロシア、プロシア、オーストリアによってポーランド分割占領され、1795年に国家が消滅します。そしてドイツ、オーストリアが敗れた第1次大戦後の1918年に独立を回復します。
123年間も他国に支配されていたのです。
ロシア嫌い
しかし第2次世界大戦によって、ドイツとソ連によってまたもや分割占領されます。大戦終了後は、ソ連の衛星国的な共産党政権がつくられ、それが続きます。
戦後のポーランドの国土の位置は、戦前からは大きく西に変わっていました。これまでの歴史で
1989年の東欧革命によって、ソ連がなくなり、ポーランドも非共産党政権になりました。
そういう経緯からポーランド国民はロシアやドイツに警戒心を持っています。
藤井さんは共産党政権化のポーランドに留学したそうですが、一般の国民は政府とソ連の悪口をさかんに言っていたそうです。
日本が好き
日露戦争でアジアの小国が戦ったということで好意を持っているし、その後、1920年にシベリアに流刑されていたポーランド人たちの孤児を救済し、ポーランドに帰国させたということで、その子孫たちが今でも感謝しているそうです。
歴史を知ると面白い
『夜明けの祈り』は第2次大戦の終戦直後で、その時期の状況をあまり説明していません。戦争によって弱いものが被害を受ける、しかしそれを乗り越えて生きる、という人間賛歌です。それで十分感動できます。
でも、なぜそんな状況が生まれるのか、それを私は知りたいと思います。