2019.6月に見た映画

12か月の未来図』『轢き逃げ 最高の最悪の日』『僕たちは希望という名の列車に乗った』『長いお別れ』『29歳問題』『主戦場』6本。思いのほか忙しい月でちょっと少ないですが、良い映画がありました。

12か月の未来図』は素晴らしい。西神ニュータウン9条の会HP7月号に書きましたので、是非読んでください。映画サークルの例会に提案しています。

『僕たちは希望という名の列車に乗った』1956年ベルリンの壁建設前夜、東ドイツのエリート高校生たちが大挙して西ベルリンに亡命するという実話の映画化。

ハンガリーの民衆蜂起に連帯しようと高校生たちが教室で黙祷する。それがばれて大事になっていきます。反革命、反国家というレッテルが張られ、大臣までも乗り出して仕掛けたものの名を言え、と高校生を恫喝します。

 彼らは最後まで仲間を売らず、卒業試験を受けるために西ベルリンへと亡命します。友情の映画でもあります。

 ソ連は東ヨーロッパの国々の国民が自分たちで国づくりをめざそうという動きに「反革命」のレッテルを貼って、軍事力で抑え込んでいました。ハンガリーポーランドに軍隊を送っています。

 戦後すぐです。ナチスの弾圧から解放してくれたソ連というイメージがある人と、敵というイメージがあると思いますが、どうも社会主義という国づくりには無理があるという映画でした。

 高校生は純粋に自己主張するのですが、彼らの親は、戦前戦中戦後の混乱期に、自分たちのとってきた行動が足かせとなって物事を率直に見ることが出来なくなっています。そして保身です。

 学校を統括する責任者(女性)が高校生を査問にかけますが、嫌な感じです。

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『主戦場』ドキュメンタリー。従軍慰安婦について、主にはさまざまな意見を持っている人々のインタビューを取っています。従軍慰安婦の日本軍の関与、強制はなかったと言っている人たちからは、騙されて映画に出てしまったという声が大きく出ています。

 それが宣伝になって映画を見に行く人が増えているそうです。

 実際に見て、みっともない奴らだな、という感想ですから、彼らが否定したがるのはわかります。「恥を知れ」とはこういう時に使う言葉ですね。

フェミニズム運動をする女性はブス、とはよく言ったものだと思う。杉田水脈などは一番よく出てくるのだが、無知と独断の見本みたいな役割を果たしています。

極めつけは彼らの元締め的な加瀬英明でしょう。他の人の本は一切読まないと言い切ります。気持ち悪い笑顔を浮かべて自分の意見がすべて、それで押し通しています。

     

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『轢き逃げ 最高の最悪の日』は主なロケ地が神戸ということで見たが、ダメな映画の代表。轢き逃げ犯人の側、男二人に力点を置いているが、彼らの動機があまりに浅い。友情や愛情のもつれ具合で面白さを出そうとしてるが、間違って人を殺してしまったにしては罪悪感がなさすぎる。脚本、監督、主演で水谷豊ががんばっているが、役者に専念したほうがいい。

神戸の景観はいい、良い街づくりをしている、六甲山上からの夜景がきれいと思っていたが、それほどでもない。

タワー・マンションが無秩序に乱立しすぎで、お世辞にも調和がとれているとは言い難い。

『長いお別れ』山崎努と松原千恵子が夫婦。元高校校長の山崎が認知症にかかりだんだんと病気が進んでいく、という話。病気の進行が遅くて7年の歳月をかけてだんだんと衰えていきます。その間に、彼らの二人の娘の人生も色々とあって、それらが絡んできて話が膨らみます。

 妻が献身的に介護し本当に好きで好きでたまらない、という思いを表に出しています。『初恋、お父さんチビがいなくなりました』もそうですが、夫に対する妻の怨みというのはないのかと思います。 

29歳問題市民映画劇場作品。香港映画。女性が主人公で彼女たちの頑張りがよくわかります。仕事にせよ生きることの選択にせよ一生懸命です。でもそれでいいのか、と言う疑問符を出すのですね。描き方に面白さがあります。でも周囲にいる男たちは何をしているのだ、と私は叱責してしまいました。