2019年8月に見た映画

8月は『新聞記者』『工作/黒金星(ブラック・ビーナス)と呼ばれた男』『デスティニー・イン・ザ・ウォー』『ピータール マンチェスターの悲劇』『よこがお』『風をつかまえた少年』『あなたの名前を呼べたなら』『引っ越し大名』『安市城グレート・バトル』『ザ・フォーリナー復讐者』10本でした。今月は5週ありましたからよく見ました。

『新聞記者』『工作/黒金星(ブラック・ビーナス)と呼ばれた男』は、いい映画で感想を『新聞記者』を映画サークルの機関誌、『工作/黒金星(ブラック・ビーナス)と呼ばれた男』は西神ニュータウン9条の会HP9月号に書きました。二つとも短く書いたので、機会を見て長めで書こうと思います。現実を描く劇映画は興奮します。

『デスティニー・イン・ザ・ウォー』は市民映画劇場8月例会作品で、私たちの班が担当しました。私は背景として、米軍機による初めての本土空爆ドーリットル作戦について書きました。色々と調べましたが、機関誌のスペースや例会紹介と言う制約もあり、書き足りません。ドーリットル作戦がアジア太平洋戦争全体に与えた影響をもう少し書いてみようと思います。

『ピータール マンチェスターの悲劇』は英国、男の普通選挙権を勝ち取る運動の中で起きた大虐殺事件を描き、19世紀のイングランドマンチェスターの町並みが再現されています。でもちょっと分かりにくい。この時代の英国の歴史をあまり知りません。

軍隊、民兵の残酷さをよく描き、しかも弾圧する側である英国王、その后を見た目も愚かで醜悪に描いています。この辺は日本とまったく違う英国のすごさです。

『よこがお』筒井真理子主演で期待して見に行ったが、ちょっとがっかりでした。二つの顔を持つ訪問看護婦を職業とする女性(筒井真理子)のそのことがテーマなのかと思えば、そうではありません。彼の甥が犯した「未成年略取誘拐」という犯罪によってマスコミに追い込まれ、世間から酷い仕打ちで、これまでの人生を失ったことの復讐がテーマでした。それならもう少し俗な表現をしたほうがいいと思います。

 何か思わせぶりで好きになれません。

『風をつかまえた少年』タンザニアの南、モザンビークの東にある内陸国マラウイ共和国で実際にあった話です。

貧しい国で、義務教育もこれからと言うレベルで、田舎では電気も通っていません。そこに大干ばつが襲い、多くの人々は飢餓に直面しています。その時、中学校に行き始めた男の子が図書館の本を参考に風力発電機を作り、地下水を汲み上げることによって多くの人を救います。

 ただそれだけです。少し政府の批判も入れて感動的に作っているのですが、期待はずれでした。もう少しマラウイ全体の歴史や文化を入れてほしかったと思います。

『あなたの名前を呼べたなら』はインド映画です。貧しい農村からムンバイに来た未亡人が大金持ちの家で家政婦をしています。そこの主人は新婚なのに妻に浮気されて落ち込んでいました。妻を追い出して家政婦と二人暮らし、お互いにいい人間ですから心のふれあいがあっていい感じなっていきます。

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 しかしそこに立ちはだかるのはカースト身分制度であり、昔からの因習、それにすり込まれた差別意識です。若い二人は乗り越えようとしますが、現実は厳しいと言う映画でした。

 とても感じのいい映画です。でもインドは経済発展こそ目覚しいものの、差別主義者モディ首相が選挙で圧勝したように民主主義が発展している感じではありません。ムスリムへの弾圧、パキスタンとの関係悪化等を聞いていますから、この映画のような希望は持てません。

『引っ越し大名』は邦画の時代劇です。越前松平家の流れで、本来なら徳川本流のはずがなぜか何度も国替えを命ぜられる藩の悲喜劇を描きます。

しかも姫路15万石から豊後日田7万石に減封され、映画はその時の引っ越しを面白おかしく描く時代劇コメディでした。そこから何かを汲み取るのは難しかったです。

武家の風習の一部は描かれていたようですが、あまり刺激を受けませんでした。減封により家臣を解雇し百姓に帰農させますが、その15年後再びもとの15万石に戻ったときに、武士に戻る意思のあるものを雇い入れます。それは感動的でした。

『安市城グレート・バトル』は韓国の時代劇です。645年唐の太宗は20万の大群を率いてその当時の朝鮮半島の王国、高句麗を攻めます。順調に勝利をおさめ進軍していきますが、小さいが堅固な山城、安市城にわずか5000の兵が立てこもります。

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 映画は巨大な唐軍の様々な兵器を跳ね除ける朝鮮軍の勇気と知恵を描きました。

 最後は内部対立していた朝鮮の両雄が団結して唐を追い返すと言う、暗示的な終わり方でした。

 歴史的には、その後も唐は出兵して、最後は朝鮮半島の他の王朝、新羅と唐の連合軍によって高句麗は滅びます。そこには触れません。

 巨大な軍勢が戦うシーンはとても迫力がありました。韓国では1000万人を動員しようかと言う大ヒットであったようです。

『ザ・フォーリナー復讐者』ジャッキー・チェンが年相応の役を演じるアクション映画。ロンドンに住むジャッキーの一人娘がテロに巻き込まれて、彼はその犯人を捜して復讐するという話。

 ジャッキーは元米軍の特殊部隊としてベトナムで闘った兵士と言う設定です。彼のアクションを楽しむ映画でした。