2019年11月に見た映画

閉鎖病棟 それぞれの朝』『ジョーカー』『希望の樹』『懺悔』『影踏み』『キラーズ・セッション』『やっぱり契約破棄します』『ザ・ネゴシエーション』『12か月の未来図』9本でした。

閉鎖病棟 それぞれの朝』は、笑福亭鶴瓶綾野剛が共演。帚木蓬生の原作だから見に行きましたが、ちょっとイメージと違う感じです。帚木さんの本は何冊か読んでいますが、これは未読でした。

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 イメージが違うと書いたのは出演者の問題ではなく、精神病院が舞台で患者が中心に描かれますが「閉鎖病棟」という題名から、自由に出入りできない患者(強制保護など)の話かと思い込んでいたのですが、そうではなくて彼らは任意入院の人々です。

 普通人と比べて、彼らはひどい経験をしたり、心に大きな傷を負ったりしている人です。時折、彼らは出歩くこともあります。医師が閉じ込めているわけでもないのです。

だから閉鎖しているのは誰か、映画は問うているのでは、と思います。

『ジョーカー』は、バットマンの悪役、悪の天才であるジョーカーの「誕生秘話」というのか、と思って見に行きましたが、昼飲みビールが効いて半分以上寝ていました。ですから「よくわからない」という感想です。

 でもほぼ満席で、多くは若い人でした。私にはわかりませんがいい映画で人気があるのだと思います。

『希望の樹』『懺悔』ジョージアの20世紀の映画。ともに脚本・監督はテンギス・アブラゼです。知らない国の知らない時代ですから、ちょっとわかりにくい。しかも寓話的な話です。『希望の樹』1976年公開で、『懺悔』1984年公開です。

『希望の樹』はロシア革命前を描きます。頑迷な因習が自由な恋愛を奪い、人権も認めない村を描きます。

『懺悔』は社会主義体制のもとでの独裁的な市長、その姿はヒットラームッソリーニ、そしてスターリンを連想させます。市長に恨みを持つ女が、その死体を何度も暴くという、ソ連体制の崩壊を予兆させるような映画でした。

『影踏み』横山秀夫の原作で、本で読めば面白かったのかもしれない。しかしミステリーを映画にした場合は、本とは違う。死んだ弟を映像化していることや、双子の相似性と違和感を映像で出すのは至難の業だろう。

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 山崎まさよしが凄腕の空き巣を演じていい雰囲気を出しているが、弁護士をめざすエリート大学生から、高額所得者を狙い撃つ空き巣になった、その心情が、ちょっとわかりつらかった。

 弟の非行、世間の批判、それが原因で母が放火で無理心中という展開で、そこに現在の彼がいるという設定だが、人物像がもう一つ。

 そして彼が捕まる原因となった、同じような家庭内暴力、放火未遂から故障物件の転売、警官、裁判所の闇の部分が明らかにされる。でも謎解きと真犯人が意外としょぼい。

『キラーズ・セッション』殺人依存症なんてのが本当にあるのかどうかは知らないが、殺人を犯してしまった人たちが集まって、自分たちの体験を語り合う会があるという、設定としては面白い。これからどうなるのか、と気をひきます。

 大統領候補になる上院議員が殺される、という展開ですが、話がよくわからないまま終わってしまいました。

『やっぱり契約破棄します』は自殺願望の若い小説家志望の男がプロの殺し屋に出会って、自分の殺しを依頼する、という映画です。

 しかし小説が売れそうになるので殺しの契約を破棄したい、というのですが、殺し屋には殺し屋の都合があってそうは行かない。

 若い男も殺し屋もいい人で、その恋人も奥さんもまた出来たい人、予想通りの展開でちょっとつまらない安物のコメディでした。

『ザ・ネゴシエーションは面白い映画でした。韓国の社会派娯楽映画は、政府高官や財界、警察や軍部等の現在の支配層を厳しく批判していて、見事な悪役に仕立てています。

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詳しくは西神ニュータウン9条の会HP12月号に書きましたので見てください。

http://www.ne.jp/asahi/seishin/9jyonokai/allyonda/yonda19.12.2.html

『12か月の未来図』は映画サークルの例会でした。見た人の反応は「たいへん良かった」でした。例会紹介も書きましたし、西神ニュータウン9条の会HP7月号に書きました。こちらを読んでください。

http://www.ne.jp/asahi/seishin/9jyonokai/allyonda/yonda19.7.2.html