2020年1月の映画

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ワイルド・スピードスーパーコンボ』『ライリー・ノース/復讐の女神』『読まれなかった小説』『パラサイト/半地下の家族』『男はつらいよ/お帰り寅さん』『ブラインドスポッティング』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『ロング,ロングバケーション』『さよならテレビ』『9人の翻訳家』『ナイブズ・アウト』『私はマリア・カラス』12本、1月からちょっとたくさん見過ぎました。今年もこのペースで、と思いましたが、こんなに見たら他のことができないので、適当に見ていきます。

ワイルド・スピードスーパーコンボ』『ライリー・ノース/復讐の女神』は年初早々にシネマ神戸で見ました。カーアクションはいいのですが、あまりに殴り合い撃ち合いがすごくて、人も無造作に死にすぎでした。ちょっとしんどくなりました。

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『ワイルド…』は超人的な主人公たちが新種のウィルスをめぐって戦い。『ライリー…』は夫と子供を麻薬組織に殺された女性が、特殊訓練を受けて戦闘兵士となって帰ってきて、彼らに復讐する映画でした。

次に見た『読まれなかった小説』はトルコの映画。前の2本と全く逆で、静かな映画で特に大きな事件も山場もなく3時間9分です。

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大学を卒業した息子が田舎に帰ってきて、書いた小説を出版したいと動きます。その父は退職前の教師ですが競馬好きで借金まみれ。二人はお互いに反発しあっています。

演劇のようによくしゃべる映画でした。

『パラサイト/半地下の家族』韓国映画界で初めてカンヌ映画祭グランプリに輝きました。経済格差を大きい韓国社会を描くブラックコメディです。西神ニュータウン9条の会HP2月号に書きましたので読んでください。(上段にリンク先)

男はつらいよ/お帰り寅さん』は車寅次郎亡き後(明確に死んだといわず、長いさすらいが続いている感じ)の彼の関係者の後日談、という映画です。

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団子屋の夫婦は死に、車屋は改装して、店は喫茶店で三平が店長を務め、奥の住居部分に博とさくら夫婦が住んでいます。満男は50歳ぐらいで会社勤めを辞めて作家になっています。瞳という、今までの映画には登場しない女性と結婚していましたが彼女は死亡、中学生の娘と二人暮らしです。

 帝釈天題経寺の住職も代替わりしていますが、源公はまだ寺男を務めています。

 満男が中心の話で、初恋の人、泉は海外で結婚して国連難民高等弁務官事務所の職員ですが、彼女が日本に帰ってきて・・・という映画でした。

 現代をどうとらえているか、などと、考える映画ではないです。

『ブラインドスポッティング』カリフォルニア州オークランドに暮らす、親友である白人と黒人の若者を描きます。原題は「盲点」という意味です。

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    オークランドは米国有数の犯罪都市で彼らもかなり暴力的です。二人はいつもともに行動していますが、黒人の若者は保護観察期間中という緊張した生活を送っています。その中で白人と黒人は警察等の対応が違うと言うことに気がつくと言う映画です。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、レオナルド・デカプリオが落ち目になったスター、ブラット・ピットがそのスタントマンという配役で1969年のハリウッドを描きます。その時代のエピソード等(シャロン・テート殺人)を虚実織り交ぜながら、コメディタッチで、評価されヒットもしていますが、わたしはもう一つ。

ロング,ロングバケーション1月の市民映画劇場でした。ヘレン・ミレンドナルド・サザーランドが老夫婦を演じています。癌で余命がわずかとなった妻が、認知症を患う夫とともに、自宅のボストンからフロリダ半島の最先端までキャンピングカーでドライブする、というロードムービー。人生の終わりを二人で過ごしたいと考えた妻は、二人の思い出のスライド持ってきて、別れを儀式かな、と思ってみました。しかし最後に無理心中するのはどうもだめ。

『さよならテレビ』東海テレビが、自分の所のテレビ局を題材に「テレビの抱える現代」をテーマに撮ったものです。なかなかの力作だと思います。主には3人(ニュースキャスター、派遣の新人記者、ベテランの契約社員)に焦点を当てていますが、その周囲の人々が悪人のように見えてくるのがとてもいいです。

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 3人が抱える現実がテレビを象徴しているように思います。

9人の翻訳家/囚われたベストセラー』世界的なベストセラー3部作の最後の本を翻訳し、9ヶ国語で同時発売するために、9人の翻訳家が地下室に密閉されて翻訳する。ところがネットに原本が流出して「やめてほしければ金を出せ」という脅迫メールが届く。そして殺人までが。

面白そうな展開ですが、後日談的にネタ晴らしがされていきます。詳細は言いませんが9人の翻訳家の事情があったと言うことです。ですからこの9人を良く見ていないと複線がわかりません。

『ナイブズ・アウト』は面白いミステリー映画でした。豪邸で大ヒットメーカの老推理作家が死体となって発見されます。自殺か他殺か、そして有名私立探偵が匿名の依頼を受けて、その謎解きをしていきます。犯人として疑われるのは、前日に老推理作家の誕生パーティに集まった家族たちです。

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 ミステリーの通例として家族関係が複雑です。でも観客には表の犯罪を見せているので、その裏にある意味を少しずつ見せていき、しかも最後にドンデン返しを持ってくる、面白いものでした。ミステリー映画としては成功していると思います。

『私はマリア・カラス』は世界的なオペラ歌手、マリア・カラスのドキュメンタリーです。色々な写真、ビデオを組み合わせていますが、彼女の内面を描くものにはなっていません。

彼女が、ケネディ大統領の奥さんだったジャクリーヌと結婚した大富豪オナシスにぞっこんだったとは知らなかった。