2019年ベストテン投票

映画サークルのベストテン投票に出した文章を載せます。これまで色々と書いてきた文章と当然のことですが重なっています。

キネマ旬報とか主な映画賞とはだいぶ違いますがやむを得ないでしょう。

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  1. 市民映画劇場
    1. 12か月の未来図
    2. 僕の帰る場所
    3. ザ・ウォーター・ウォー

 市民映画劇場の作品に順番をつけるのは難しいが、好きな映画を選んでみました。

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『12か月の未来図』はフランス革命の「自由、平等、博愛」が国の基軸として貫かれていると感じる映画でした。『僕の帰る場所』はそれと対照的な日本社会の排他的な面が出ていますが、困難があっても生き抜く力が伝わってきました。『ザ・ウォーター・ウォー』にも理不尽な状況に置かれた人々の抵抗の意志、迫害に負けない良心があり、励まされます。

  1. 邦画
    1. 主戦場
    2. こんな夜更けにバナナかよ
    3. 新聞記者
    4. 七つの会議
    5. 空母いぶき

監督賞:ミキ・デザキ(『主戦場』の監督)

 邦画はリストで見ると二五本、数を見ていないのでいい映画を見逃している感じがあります。反省です。

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(『主戦場』で従軍慰安を否定する面々』)

 

 『主戦場』は韓国人従軍慰安婦に対する詭弁、歴史の改ざん、偏見、嘘を平気でしゃべれる人たちの素顔が見ることができて「すごい」映画という評価です。『こんな夜更けにバナナかよ』は一人の障碍者の生きざまでが、前のめりの人生に共感しました。『新聞記者』は力足らずの映画です。しかし現在の政権批判に応援の一票です。『七つの会議』も現在の風潮、企業社会の不平等な仕組みを批判しています。『空母いぶき』は甘い設定など課題はあるものの、憲法九条の下での戦闘、戦争をシュミレーションした映画で、それなりに楽しめました。

  1. 洋画
    1. 12か月の未来図
    2. ニューヨーク公共図書館
    3. 工作/黒金星と呼ばれた男
    4. 家族を想うとき
    5. ブラック・クランズマン

 

監督賞:スパイク・リー(『ブラック・クランズマン』の監督)

主演男優賞:ファン・ジョンミン(『工作/黒金星と呼ばれた男』の主演男優)

 リストにはたくさんの映画がありますが、そのうち五三本見ていました。こちらはそれほど見逃した感がありません。f:id:denden_560316:20181001164927j:plain

(『家族を想うとき』)

『12か月の未来図』は一般劇場も含めたベストです。『ニューヨーク公共図書館』は初めてその存在を知りました。「民主主義を支える柱」その自覚に納得です。『工作/黒金星と呼ばれた男』は韓国現代史の裏面を見事に描きました。事実に沿っていると思いますが、民族の和解という願いが痛いほど伝わりました。『家族を想うとき』はケン・ローチ監督の強い怒りを感じます。「市場原理」が労働者をいじめ、それに屈服しているのは日本も同じです。『ブラック・クランズマン』は米国の人種主義者の愚かさを笑い飛ばしました。でもトランプ大統領の下では笑えないと感じます。