1月例会学習会「コロナ禍から見えてきた医療・介護の現状」

 112日、門泰之(兵庫県医療労働組合連合会書記長)さんから、表記の話を聞きました。

 1月例会は、フランスの看護師さんを養成する学校の150日を撮ったドキュメンタリー『人生、ただいま修行中』です。彼らが、医療の勉強し現場に立ち会いながら、どのように成長していくかが描かれています。

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 翻って日本の医療現場について、どうなのか、を聞きたいと思いました。

門さんは、病院や介護施設で働く職員、医師、看護師、検査技師さん等で作る労働組合の役員です。コロナ禍の日本の医療・介護の現場はどのようになっているのか、彼らがどういう環境でどんな思いで働いているのか、そして日本全体の医療・介護の状況について、わかりやすく話していただきました。

貧弱な医療体制

 医労連が主要国の医療労働者の労働条件を調べ始めたのは21世紀に入ってからのようです。社会全体の医療制度が違う下で単純な賃金などの比較では、わからないことが多いと言います。

 皆保険制度のない米国、ほぼ税金などで賄われる北欧や西欧、皆保険だけれども個人の負担の大きい日本という制度の違いがあります。しかし医師、看護師の数を見ると、労働環境の格段の違いを理解しました。これは患者のケアに直結します。

 ベッド100床当たり日本は医師19人看護師87人、仏(52168)独(52159)英(108306)民間保険の米国(94420)です。

 私は、このコロナ禍で、英国などの感染者、死者の数が日本と比べて一桁多い状況を見て、いつも不思議に思っていました。日本は今でも「医療危機」と言っています(実際はもう崩壊していて「命の選択」が始まっているとも)が、西欧諸国の医療機関は踏ん張っています。それはこのような根本的な体制が分厚い、という違いがあります。

 これまでも基幹病院の医師や看護婦などの忙しい実態が報道されたりしてきましたが、それに加えてコロナ禍ですから、医療労働者は大変です。

 しかも驚くべきは、自公政権はこの貧弱な医療体制をさらに削減する「地域医療構想」を、このコロナ禍でも進めようとしていることです。新たなウィルスによるパンデミックの可能性を考慮するように言いながら、基本的な枠組みは変えない、といいます。騙しのテクニックです。

エッセンシャルワーカー

 大変な状況の中で働き続けている医療労働者に感謝と励ましをしようと言う動き、声もありますが、処遇は連動していません。

 コロナ患者を受け入れる病院は、その他の患者が減り経営が苦しくなる仕組みになっています。それでボーナスを大幅に減らした病院もありました。 家族に感染させないために、何か月も家に帰らずに働く人もいます。

 同じ医療機関でも、クラスター発生した病院などの職員の診察拒否がありました。感染を恐れて、彼らを中傷し排除するような心無い言葉が飛び交っています。

 エッセンシャルワーカーと言う言葉が急に出てきました。「社会に不可欠な労働」と言う意味で、コロナの感染リスクを持ちながら働く人々です。医療や介護、運輸・公共交通、スーパーの店員、ごみ収集、教育・保育の労働者、日常生活を支える仕事です。でも彼らの処遇は恵まれてはいません。

 最後に門さんの言葉で印象に残ったことを書いておきます。

 各国を調査して共通していたのは看護・介護の労働者は下層階級出身者が多い。

 ワクチンはこわい、人体実験のようなもの。

 映画サークルの例会は1516日です。以下のHPを参照してください。

神戸映画サークル協議会(神戸映サ) (kobe-eisa.com)