『ブルーに生まれついて』『エルELLE』『私は確信する』『ある人質、生還までの398日』『風の電話』『オフシャル・シークレット』『ジョーンの秘密』7本見ました。色々ある中で、よく見ました。何本かは期待してみたのですが、残念ですが、いずれも平凡な印象しか残っていません。『エルELLE』は2度目です。
その1で先の4本を紹介することにします。
『ブルーに生まれついて』
1950年代に活躍した天才的ジャズ・トランぺッター、チェット・ベイカーの自伝的映画、でイーサン・ホークが演じています。黒人中心のジャズ・ミュージックの中で白人が活躍して人気を博しますが、最後まで薬を抜くことが出来なかったようです。
映画はよくわかりません。途中で寝ていました
『エルELLE』
フランス映画、イザベル・ユペールが主演。露骨なセックスシーンとか裸は、そんなには出ないのですが、ポルノチックな映画です。「エル」はフランス語で「彼女」です。
ある日、ミシェル(イザベル・ユペール)は自宅で暴漢に襲われて殴られレイプされます。それで落ち込むのではなく、逆に犯人探しを始めますが、直感的に身近にいる男と思っています。
彼女はゲーム会社の社長で、かなりワンマンな感じです。好かれている社員、嫌っている社員がはっきりと出ます。しかも秘書で友人の夫と肉体関係を持っています。
別れた亭主は売れない小説家です。亭主の浮気が原因で離婚したようですが、まだ未練があるようで、けっこう頻繁に連絡を取っています。平気な顔で、元亭主の恋人もパーティに呼びます。この感覚はフランス人らしいです。
彼女の母親は「いい年をして」若い男と同棲しています。父親は彼女が9才の時に近所の人々多数を殺戮しました。殺人犯で刑務所に入っています。この事件は大きく報道されて、彼女も批判にさらされています。息子は結婚していて子どもが生まれます。
ミシェルの孫ですが、肌の色から息子の子供ではないといいます。
彼女を中心に、ちょっと異常な人間関係が交錯しています。話は進展し、レイプ犯、父も母も死にます。新しい物語が始まりそうな感じで映画は終わりました。
ブラック・コメディの感じで、「道徳的」ではない人々の集まりで、彼らの思考、行動を楽しまないと面白くありません。
それにしても、この時のイザベル・ユペールは64才です。まさに美魔女です。
『私は確信する』
フランス映画、事実に基づく裁判劇でした。
10年前に夫と3人の娘を残して帰ってこない妻を、殺したと、ヒッチコック好きの大学教授ジャックが疑われて、裁判にかけられます。ジャックの娘が息子の家庭教師であったことで、関心を持ったレストランの女料理人ノラが、冤罪事件を得意とする優秀な弁護士に依頼して、自分も証拠の洗い直しなどを手助けして、裁判に勝つという話です。
フランスでは有名な事件ようです。
妻の死体がないので、死んでいるのか失踪なのかもわからない、疑われた夫ジャックは否定しているにもかかわらず、マスメディアが「ヒッチコック狂による完全犯罪」と煽ったようです。
関係者の膨大な電話の会話記録があり、ノラは徹底して聞いて、ジャックが殺害したと証言する妻の愛人とその関係者が、仕組んだ罠だ明らかにしていきました。
冤罪事件という面もありますが、フランスでも「疑わしきは被告の利益」という刑事事件の原則が形骸化していると思いました。
『ある人質、生還までの398日』
これも実話に基づく映画です。戦火のシリアの、平凡な日常的な庶民の姿を撮ろうと、シリアの町に入ったデンマーク人の若い写真家ダニエルがISに捕われ、人質として高額の身代金を要求されます。
デンマーク政府は「テロ組織と交渉しない」方針を堅持して、お金の立て替えなどは一切かかわりません。家族は必死でお金集めをします。
人質となったダニエルは、最初は拷問され、その後は劣悪な環境で、同じような外国人とともに監禁されます。
そして軍人上がりの仲介人が両者の連絡し交渉します。
映画はシリアの人質たちの状況と、身代金集めに奔走するデンマークの家族の姿を、交互に描きました。最後には、色々な人々の協力によって、ISが要求するお金が集まって、ダニエルは家族のもとに帰ってきました。
デンマークとシリアの関係はよくわかりません。しかしデンマークの安全保障政策はNATOの一員、米国の世界戦略に協力的で、積極的に海外派兵を行っています。
この映画は事実に基づいていますがデンマークのそういう面は描いていません。ISの理不尽さはその通りですが、ダニエルや家族を越えた視点も必要であると思います。