日帰り豊岡、植村直己冒険館と江原河畔劇場

 2022110日は素晴らしくいい天気でした。年末に芝居『十五少年・少女漂流記』を観に豊岡に行く予定を立てましたが、今シーズンは雪が多く降るので、ちょっと心配でした。スタッドレスタイヤに履き替えましたが、雪道を運転した経験はないのです。

 それは杞憂に終わりました。

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 11時に西神中央駅に集合して、玉津ICから第2神明道路加古川バイパス、姫路バイパス、播但連絡道路北近畿豊岡自動車道(途中、朝来SAで昼食)と走ってきて、13時半ごろには日高神鍋ICにつきました。

 生野峠を越えると、空気感がかわり、走路上の雪はありませんが路肩に残っています。周りの山や田畑にも雪がありました。但馬地方に年末に数年ぶりの大雪が降ったと聞いていましたが、その名残です。

 劇場の開場時間が15時で、少し時間があるので植村直己冒険館に行きました。ここの駐車場周辺にも雪が残っています。建物全体は見えません。

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 彼は、但馬が生んだ世界的な冒険家です。世界5大陸最高峰登頂は知っていましたが、その他にも単独でのアマゾン川下り、犬ぞりで北極点到達など、多くの冒険を実践しています。1984年冬のアラスカ、マッキンリーに単独登頂に成功して、その下山途中で行方不明になっています。43歳でした。

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その年の4月に国民栄誉賞が贈られています。

彼は南極大陸横断を計画していました。あるいは冒険とは別に、その経験から自然と主に学ぶ野外学校をつくりたいと考えていたようです。

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 身長162㎝と意外と小柄でした。

江原河畔劇場

 15時前に劇場に着きました。すでに入り口には十数人が並んでいます。駐車場も埋まっていましたが、辛うじて1台だけ空きがありました。品川ナンバーの車も複数台並んでいます。

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 20214月、豊岡に兵庫県立の芸術文化観光専門職大学が開校しました。学長は劇作家、演出家の平田オリザさんです。そして彼が主宰する劇団「青年団」は、それ以前に旧商工会館を全面改装した江原河畔劇場に拠点を移しています。

 平田さんは、従来から地域での演劇活動をされていたようで、2014年頃から前の豊岡市長、中貝さんに但馬、豊岡の魅力を創り出すために協力を求められました。雑誌『世界』で「但馬日記」に、今日までの詳しい状況が書かれてあります。昨年の豊岡市長選挙では平田さんも巻き込んだ中貝市政に対する「演劇に肩入れしすぎ」というデマ宣伝もあったようです。

 平田さんは地域の小中高生をあつめて「たじま児童劇団」も設立しました。『十五少年・少女漂流記』は、その旗揚げ公演です。ジュール・ベルヌ十五少年漂流記」をモチーフとした平田オリザ作・演出です。

 玄武洞に遊びに行った少年、少女たちが異次元空間に迷い込み、そこで彼らは自分たちの生活を振り返り、悩みをぶつけ合い、生きていく意味などを考えます。そして自分たちの選択で、元の世界へ戻る、という1時間程度のディスカッション演劇でした。

 劇場は150席ほどですが、ほぼ満席で中高生から高齢者まで幅広い年齢層がいました。帰り際、高校生らしき子らが「面白かった」と感想を漏らしていました。

 平田さんは豊岡で世界最大の演劇祭を開催する、というビジョンも掲げています。文化芸術の大学と演劇活動で魅力的な但馬地域をつくろうという熱を感じました。

 応援したいですね。()