『ドラゴンへの道』『モンスター・ハント』『パッション・フラメンコ』『ラストナイト・イン・ソーホー』の4本だけでした。
12月は芝居を2回見て、旅行もしたし、年末は忙しく(今年も年賀状300枚、山積みの資料の整理、破棄など)映画を見ることができず、わずか4本となりました。しかもこれはというのはないので、寂しいものです。
『ドラゴンへの道』
特にブルース・リーのファンということもないので、期待せずに見ましたが、それでもちょっとひどい映画でした。
親戚がやっているイタリアの料理店にマフィアが嫌がらせに来るから、その用心棒として、ブルース・リーがローマにやってきて、悪い奴らをやっつけるという話です。
人物設定など、ばかばかしいほどコミカルすぎて、コメディ映画としてもお粗末でした。
悪人側の用心棒でカンフーの達人(白人)と、コロシアムで闘うのが見せ場ですが、広い所で小さな人間が二人で殴り合うのは、滑稽なだけでした。迫力も感じません。
『モンスター・ハント』
中国の妖怪ものです。実際の人間とCGでつくった妖怪を織り込んでいくのはすごい技術だと感心しました。
妖怪と人間が隣り合って住む世界で、しかも対立しています。妖怪王国でクーデターがあって、妊娠した王妃が逃げ出し、その子どもを人間に託します。王子が生まれ、人間に育てられるところから始まりました。
人間の妖怪ハンターがいて、捕まえた妖怪を料理して食べさせる店があります。大金持ちが集まってきます。
妖怪王子を養い親が売り飛ばし、さらに妖怪ハンターに連れ去られて、その料理店に運び込まれます。それを救出すべく改心した養い親、王子を見守る妖怪、正義心に目覚めた妖怪ハンターなどが乗り込んで、妖怪料理屋の用心棒たちと大乱闘がメインです。
面白い動きですが、設定やストーリーはめちゃくちゃで、よくわかりません。
『パッション・フラメンコ』
市民映画劇場12月例会です。フラメンコの第一人者といわれるサラ・バラスが世界各地で「ボセス・フラメンコ組曲」を公演していくのを追いかけるドキュメンタリーです。彼女の踊りと生きざまが紹介されます。
もちろんフラメンコの踊りがメインです。でも映画を見て気づきましたが、フラメンコはカットバック等、部分と全体の映像を見せる映画手法で構成するよりも、舞台そのもの全体を見たほうが面白いです。表情のアップも腕の動きを捉える映像もそれだけでは面白くありません。舞踊ですから、それらは足や全身の動きと関係しています。
しかもバックのギター奏者、歌い手も独特のもので、そこも併せてみたいです。
フラメンコ歌手は、カンタオールというそうです。「ボセス・フラメンコ」ではルビオ・デ・プルーナ、ミゲル・ロセンド、イスラエル・フェルナンデスが歌います。
サラ・バラスがプロとしての初舞台が東京で、そのレストランが現在では廃業しているようです。
『ラストナイト・イン・ソーホー』
基本的に、オカルトや心霊物は嫌いです。ですからこの映画も面白そうに作られていますが嫌いです。
田舎からロンドンに出てきて、デザイン学校で学び始めた学生エロイーズは、霊感があって、死者や過去の出来事を見ることができました。
彼女はデザイン学校の寮に馴染めず、ソーホーの古いアパートで暮らし始めます。すると、その部屋で起きた過去の殺人事件を見るようになってきました。そしてだんだんと現実と幻想の区別化つかなくなっていき、ついには錯乱状態になります。
彼女の夢とも幻想ともつかない世界は60年代で、彼女はクラブの歌手、ダンサー志望である田舎出の少女コリンズと一体になっていきます。
コリンズはソーホーのクラブにやとわれて、ストリッパーにされて、ヒモのような男に脅され、殴られながら売春を強要されています。そしてついに殺されそうになりました・・・・。
現実のエロイーズはコリンズと一体なって恐怖にとらわれていきます。そして現在の生活でも異常な行動に走るようになっていきます。
異常心理によって、現実にないものが見えたりすることはあります。しかしそれは物理的ではありません。脳の活動の結果です。その訴えを警察官が事実として信じることも本来はあってはならないことです。
しかし、この映画ではそういうことが起こりました。警察は「このアパートで殺人があったのか」と半信半疑ですが、アパートのオーナーを訪ねています。
結果として、事件の真相は彼女が夢見たこととは違うが、殺人はあったというオチです。