この3月末で仕事を辞めました。20才から働いて46年、1年9か月を民間企業、44年を神戸市役所で働きました。私の生き方、人生観は自治体労働者として働いたことで培われたと思っています。
今から振り返ると46年は長いと思いますが、一年一年懸命に生きていたので、苦しくもありまた楽しくもありました。
私の市役所人生を象徴的に現わす場所で、偶然ですが恒例となっている花見をしています。
土木の仕事
4月3日は中央区宇治川沿いの公園での花見です。莚を広げる場所の途中に40年ほど前に担当した道路工事の現場があります。
高い石垣の上にある墓地の隣を道路拡幅しました。どんな具合に工事をするのか想像できなかったのですが、請け負った建設会社はブルドーザーを入れて、どんどん掘っていきました。
なるほど、日本の土木技術はすばらしいと思いました。
でも、その時は宇治川の桜は目に入りませんでした。ただ御影石の石垣が見事だと見ていました。
そして花見をした仲間は、小さな飲み屋でこの10年の間に知り合った人々です。
仕事を越えて
4月9日は垂水区泉が丘です。
ここは現役生活の最後にかかわった現場です。大規模な土木工事とは無縁の100万円以下の仕事ばかりをやっていました。でもその仕事一つ一つは、そこの住民のみなさん、地域を担当したコンサルタントと協力することでできたものです。
だから仕事を辞めた後でも、花見に呼んでいただける付き合いです。これは公務員冥利に尽きると思っています。
狭い路地ばかりの地域で、古い家を壊して「防災空地」を作る仕事でした。それは火事や災害時に少しでも安全になるようにと考えたものですが、地域のコミュニティを醸成する狙いもありました。
ここはそれを見事に実践していただいています。
私の「卒業」を祝っていただきました。