2022年4月に見た映画

ベルファスト』『浜の朝日の嘘つきどもと』『ブータン山の教室』『標的』『コーダ』『英雄の証明』『立ちあがる女』『サマ-・オブ・ソウル(あるいは革命がテレビ放映されなかった)』『護られなかった者たちへ』『親愛なる同志たちへ』『クライ・マッチョ』『すばらしき世界』12本です。マラソンに出るために北陸への34日の旅行をしましたが、この本数です。映画を見ようという気合がありました。

 しかしそのために、なかなかブログに手が回らないという負の面もありました。

ベルファスト

 実話。脚本・監督のケネス・ブラナーの幼いころの経験だといいます。私はちょっと理解できませんでしたが、友人に英国、アイルランドの歴史を教えてもらって、わかりました。

 1969年の英国領北アイルランドの街ベルファストで実際にあった暴動事件を描いています。プロテスタントカトリックの人々を襲います。

 それは英国の多数派がプロテスタントで、それまで抑圧されてきた少数派のアイルランド系のカトリックの人々の人権を認めようという国全体の流れに反対するものです。

 隣人であった人々を暴力を使って追い出そうとします。日用品の店を襲う普通の市民の愚かな姿が描かれました。

『浜の朝日の嘘つきどもと』

 少し期待してみた邦画ですが、なんかおかしいと思いました。3.11の後ですが、そんなに昔ではないのです。3.11の時に高校生だった女の子が大学を出ていますから20178年頃で映画館の多くはフィルムからデジタル化に移っている時期です。それなのにいきなりフィルムが大事だという出だしでした。

 あとはモギリコ(高畑充希)が映画館を守ろうという働きと、彼女がなぜそう思い、福島の南相馬市にやってきたかを描きました。デジタル化には触れていません。

 つまり現実とちぐはぐです。そう思うと、この映画の良さが全く分からなくなりました。しかたがないです。

ブータン山の教室』

 いい映画です。「幸せ度」が高いといわれるブータンを踏み込んで描いていると思いました。

 教師になるのを嫌い海外で音楽をやろうと考えていた青年が、上司の命令で交通が整備されていなくて、歩いて7日もかかる、はるかな山のふもとの小学校の先生で赴任します。

教室と子どもたち

 人口57人の小さな村で、電気もなく、子どもたちは自動車も見たことがありません。放牧などをしながら人々が生活しています。

すぐに村を出るつもりだった青年は、生徒たちと接するうちに、教える喜びを少し知るようになります。わずか半年余りですが、村人たちともすっかり打ち解けます。淡い恋心も感じます。しかし冬が来る前に青年は村を降りました。

 別れの日は、子どもたちは泣き顔で、村人も青年もとても名残惜しそうでした。

 ラストシーンは、念願かなって青年は外国のライブスタジオで演奏をします。でもその顔には喜びはありません。

 彼がこれからどう生きていくのかはわかりませんが、山の教室に戻る可能性も見せていました。

 彼が村を降り時に村長は以下のように言います。

「私たちの国は外国から幸せの国と呼ばれてるらしい。その幸せの国の若者がどんどん外国に出て行く。」

 日本の田舎と似ていると思いました。