『オードリー・ヘプバーン』『大河への道』を書きます。どちらも期待外れの映画でした。「大河への道』は西神ニュータウン9条の会HP6月号に書きましたので、それを再掲します。
日本ではいつもの歴代のベスト映画に入る『ローマの休日』で、彼女は大人気です。でも「永遠の天使」といわれた、その見かけとは違い、第二次世界大戦下で大変な苦労をしてきました。
これは「彼女の知られざる人生と苦悩を描き出す」映画と謳われていました。少し期待して見たのですが、でもそうでもありませんでした。
晩年は、ユニセフ国際親善大使として自身の名声を、貧しい国の子どもたちのために尽くしています。慈善活動を通して大勢の人たちに癒しと救済をもたらし、自身についても「人生の最後に、自分のことを好きになれた」と語ったオードリーです。
バレエダンサーとしての挫折、父親と確執があったということはわかりました。 でも突っ込みが足りないと感じる映画です。
彼女が魅力的であることは変わりません。
『大河への道』
立川志の輔の落語を原案としてつくられた映画です。「大河」とはNHKの大河ドラマのことで、千葉県香取市が郷土の偉人、伊能忠敬をNHKに取り上げてもらおうと画策するというドタバタ喜劇です。
西神ニュータウン9条の会HPに書いたものを載せておきます。
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落語と映画
ここで紹介する映画かどうか少し迷いましたが、私が追求している行政職地方公務員を主役とする映画ですので、書くことにします。
立川志の輔の創作落語を原作としてつくられたコメディ映画で、落語の映像化ですから突っ込みどころ満載になるのは仕方ありません。よほどしっかりした脚本、監督が必要ですが、そのあたりは凡庸でした。
千葉県香取市の観光政策が始まりです。ここ出身の偉人として親しまれ尊敬されている伊能忠敬を主役とする大河ドラマをつくるように、NHKに働きかけることが決まりました。
映画は、現代の市役所のドタバタぶりと江戸時代の忠敬の地図作りにかかわる、二つの場面で構成されています。出演者は現代と江戸時代で一人二役をしていました。
忠敬は佐原の商人でしたが、50才で隠居します。それから江戸に出て天文学を学び、幕府の許可を受けて、日本国中を回って精度の高い日本(北海道から九州まで)の沿岸地図を作成した人です。
地図は忠敬が死んだ3年後に公表されました。その間に何があったのか、これがこの映画の主題でした。
大事な公務
大河ドラマをめざす仕事の責任者は池本主任(中井貴一)です。人口7万人の小さな市のですが、彼は課長でも部長でもありません。普段はゴミステーションの網の修理も自分でする総務課の担当者です。
香取市長は出てこなくて、業務は千葉県知事(草刈正雄)が命じ、最後も知事に報告します。
県市の役割分担や業務上の指揮命令系統はいい加減です。そこはやむを得ないと目を瞑ります。でも公務とは何かを描かないのが残念でした。
落語は一人で何役もこなす芸ですから、中心人物と筋、布石以外は削ぎ落しています。しかし映画は周囲の状況も映し出します。そこに映画の面白さがあり、落語にはない良さがあります。しかしそういう撮り方ではありません。
忠敬の死を伏せ、幕府を欺いて地図を完成させたという映画です。現代でも、国民市民のためになる大切な公務は、上司を騙してでもやれと強調すればよかったのです。