『サバカン』『LOVELIFE』『人質』『83才の優しいスパイ』『沈黙のパレード』『なまず』『空気殺人』7本でした。期待してみた映画が多いのですが、ウームと考え込みました。『空気殺人』以外は、どれも今一歩の感じがしました。
これらも短く簡単に書きます。
『サバカン』
ちょっと期待して見に行ったのです。日本版『スタンド・バイ・ミ―』かな、感じは似ていますが、作り方が雑だと思います。
小学5年生の男の子の夏休みの冒険です。ちょっと悪そうな同級生となんとなく親しくなって、二人で自転車の遠出しました。たった一日の思い出です。
タイトルの「サバカン」は鯖の缶詰のことで、その同級生の家で食べました。
誰でもが心当たりあるほろ苦い思い出で、いい感じに仕上がることが出来たのに、私にはいまいち、駄目ですね。
『LOVELIFE』
矢野顕子の同名の歌を題材にしたという宣伝文句と、監督が深田晃司ということもあり期待したのですが、これもダメでした。登場人物それぞれの感情がよくわからない、と言う感想です。
子どもが一人いる一組の夫婦、妻は子連れの再婚でした。マンションの向かいには夫の両親も暮らしていて、彼らを招いてのパーティです。
その時に子どもが湯船でおぼれ死にます。
その子の葬式に、突然その子の父、彼女の元夫(行方不明で、今はホームレス)がやってきます。夫婦の間が微妙に変わっていきます。
それから妻と元夫がよりを戻したかのような関係が始まります。夫の方も、今も同じ職場にいる以前の恋人と関係していきます。夫婦と夫の親たちの気持ちが混乱していると描きます。
極めつけは、元夫(聾唖)は韓国人で「父が危篤」の知らせを聞いて、韓国に帰りますが、妻は「あの人には私が必要」と同行していきました。
さらに父の危篤は嘘だった、という混乱ぶりです。
詳しく話の筋を追いましたが、全体的によくわからない映画でした。
『人質』
韓国映画です。なかなか面白い作り方ですが、でも何が言いたのか、よくわかりませんでした。
韓国の人気俳優ファン・ジョンミンが本人のまま映画に出て、誘拐されるという話でした。猟奇殺人犯グループと戦って、最後は脱出に成功します。
いい人柄で智恵も勇気もある、という描き方になっていました。面白いのは面白いですが、それだけです。
『83才の優しいスパイ』
市民映画劇場の映画で、ドキュメンタリーですがちょっと風変わりです。
探偵事務所に老人施設にいる母ソニアが虐待されていないか、調査してくれと言う依頼がきます。探偵事務所は高齢者を雇って老人施設を探ろうと考えます。妻を亡くしてひとり身になった老人セルヒオが送り込まれて、スマホを使って盗撮を始めました。
それと同時に探偵事務所は、その老人施設に「そこで暮らす人々を撮るドキュメンタリーの製作」を申し入れて、正面からも撮影するという、映画はその映像の組み合わせです。
虐待はなかったので、この映画はセルヒオが撮った映像も組み込まれて公開されたということです。
セルヒオがそこで暮らす人々と親身に付き合う様子が写されて、高齢者たちの気持ちが伝わってくるいい映画になっていました。でも私が目指す高齢者像と違いました。
彼は施設にいる人間は家族に会いたがっている、と言うのです。
『沈黙のパレード』
東野圭吾原作のミステリ―の映画化ですが、駄作です。
ガリレオと呼ばれる天才物理学者・湯川学が刑事と協力して事件の犯人を突き止めていくシリーズです。私は初めて見ましたが、面白いとは思いませんでした。
数年前に少女の失踪事件があり、その遺体が発見されます。それは15年前に殺人事件容疑で逮捕されながら黙秘を通して釈放された男の実家でした。
男は、その少女の住んでいた町にやってきて、殺されました。それは街を挙げてのお祭り、パレードの日でした。
湯川が真犯人を見つけて、謎解きまでしますが、どうも面白くありませんでした。なぜか、この事件の関係者の気持ちが、私にはわからないからです。
『なまず』
韓国映画ですが、これは紹介できません。インターネットで調べて、あらすじなどを読んでも思い出すこともできないのです。わけのわからない映画です。
『空気殺人』
これは面白かった。実話に基づく(韓国で2001年~10年に起きた事件)と書いてありますが、最後のドン伝返しは、ちょっと作ったような感じです。
医師の妻子が、突然に急性間質性肺炎を発症し妻は亡くなります。彼はその死に疑問を持ち、その原因をさぐります。
多くの被害者が出ており、医師は加湿器の殺菌剤がその原因だと確信します。その製品は韓国政府も安全を認めた英国の多国籍企業でした。
被害者を集めて、何とか裁判に訴えますが、そこからが大変な闘いになりました。
最後は「正義は勝つ」という終わり方で、よかったよかったです。しかし大企業相手の裁判は本当に大変なものだとわかります。スラップ訴訟のような感じです。