第55回自治体学校

 今年は新潟でした。新潟は中越地震の時に、長岡を行く途中で泊まりましたが、ほとんど初めてです。
 自治体学校も55回を数えます。最初に行ったのが25年ほど前ですから、市役所生活の2/3をここで色々と教えてもらった感じです。
 今回は渡辺治先生の記念講演参議院選挙の結果と安倍政権」が一番良かったです。現代の日本の状況をすっきりとつかめた感じがしました。

自民党共産党
 簡単に印象に残ったところを紹介します。
 今回の選挙の特徴は①自民党の圧勝、②民主党の壊滅、③共産党の躍進です。自民党は2012年12月の総選挙に比べて、比例選挙で7ポイントも得票を増やしています。明らかにアベノミクスが支持された、ということです。民主党の壊滅的後退、維新の不振、みんなの党が増えなかった、それは保守2大政党制が崩れたという情勢です。そして自民批判の受け皿として共産党が長期の低迷を脱して大きく支持を増やしました。
新自由主義の否定とアベノミクスの第3の矢
 自民党が支持されたのはアベノミクスです。その矢の第1、第2は従来の自民党景気対策で、新自由主義改革の否定ですが、それを国民は評価し期待したということです。しかしその行き着く先は景気回復ではなく、これまでと同じ疾病であり、それは破滅であると感じた人が共産党に投票したのではないか、ということです。
 第3の矢、第4第5の矢(社会保障切捨て、消費税増税法人税減税)は新自由主義改革そのものですから、自民党はそれをこの選挙では隠しました。
 民主党の壊滅等保守2大政党制の崩壊は、新自由主義改革をやりにくくするだろうと、渡辺先生はいいます。維新やみんなの党は伸びませんでしたが、彼らを含めると新自由主義的改革派の政党は多数を占めています。しかし保守2大政党制のような「政治の安定」がないのです。
 国民の痛みを作り出す新自由主義改革を強行するために、それが必要です。それ以外は入れるところがない、という国民が政治に絶望するような状況を作り出すのが「安定」です。
 これからの政治情勢は、従来の自民党1党支配に戻れないので、保守2大政党が崩壊して、政治の不安定が続くということです。
 そして選挙戦後半ではアベノミクスの欺瞞が明らかにされました。先行きの破綻が国民的に明らかにされ始めたと思います。でも多くの保守支持層は、自民党に一縷の期待をかけるしかなかったのでしょう。ですから1人区で自民が圧勝しました。
アベノミクス反対
 共産党が伸びたのは、アベノミクスに反対する人たちの受け皿になったからです。少しづつアベノミクスではない景気対策、国民の生活を豊かにする、労働者の賃金を上げる、地方経済や中小企業を元気にさせる政策、それが有効ではないかと思う人たちが増えてきたと思います。
 そして政党では共産党社民党が示したと思います。
 参議院選挙前の都議選で共産党が増えたことが、全国的な宣伝になったといいます。共産党に入れても「死票」にならないかもしれない、という期待です。
(続く)
新潟市の特徴
 新潟駅周辺は地方都市の様相があります。何より駐車場が多く、公共交通が発達していないということです。
 新しい南口には駐輪場と駐車場が作られていました。