兵庫県自治体学校


 今日10月9日は兵庫県自治体学校で、二宮厚美先生の「地域主権戦略のなかの自治体と現代的地方自治」という基調講演を聞きました。二宮先生の話は何度も聞いていますし、本とか「経済」誌の岡田先生との対談も読んでいますから、現在の民主党政権に対する批判は納得できました。しかし大多数の自治体分権論者への批判は、保留したいと思います。
 「新自由主義的分権化路線と市民的自治論との合流」は最近の分権論者の動向を見ているとそうだなと思いますし、民主党地方自治地域主権」論は財界の道州制の方向を見ています。しかしだからといって地方分権論者の大多数が、分権の中身を問わず賛同しているとは思えないからです。実際に、二宮先生が批判した河村名古屋市長、橋下大阪府知事に対して、一般的な世論の支持は高いと思いますが、地方自治を多少ともかじった人の支持は高いとは思いません。
 そして現在の地方自治の危機はそのとおりで、民主党政権がそれを促進している面は否定できませんが、自治労も含めて真面目に地方主権、分権を考えています。その危機の克服するためには、そういった人々を含めた多数派の形成が必要であると思います。
 二宮先生は片山総務大臣を「二枚舌」と批判しましたが、私は大きな拍手を送りました。これまで震災関係の集会にパネラーとして神戸に来ていましたが、彼を持ち上げる人びとは何を見ているのだろうと思っていましたが、これですっきりしました。
 講演の最後に公務員労働者の専門性の重要性を指摘していましたが、これもそうだと思います。京都市長選挙候補になった広原先生は専門性は必要ない、という意見を言っていましたが、地方自治体が市民のための仕事をするためには、職員の能力が問われます。憲法が定めた基本的人権を生活のなかに機能させるためには、専門性を伴った公務労働が必要です。