10月例会学習会



「フランスの家族関係 養子制度と国際養子」坂本千代神戸大学国際文化学部教授)
 10月12日に標記のテーマで坂本先生にしゃべってもらいました。市民映画劇場10月例会「ずっとあなたを愛している」の重要な脇役となる子どものことに絡んでくるテーマです。しかしそれだけではなく、フランス人の人生観生活観家族関係がよく分かる、興味深いお話でした。
 フランスは男女の法的な結びつきは、結婚だけではなくPACS(民事連帯契約法)とユニオン・リーブルという3種類あるということです。ユニオン・リーブルは同棲みたいな感じで、非常にゆるい結びつきですが、それに応じた権利を認めようというものです。いうなれば結婚となれば慎重になるものの、くっつくのも簡単、別れるのも簡単という制度を作っているということです。だから日本で言う「非嫡出子」も多い。第1子の60%は婚外子です。しかし父親は分かっているから認知度も高いということです。
 だから結婚件数は70年の40万件から05年の25万件と激減しています。同棲して相性を見てから結婚するという感じですかね。1968年の5月革命の影響によって価値観が変わったと見ることが出来る。
 日本の法的な夫婦の結びつきを中心とした家族観とはだいぶ違うようです。そして子どものいない「夫婦」で子どもがほしいときは養子をもらう。国際養子も多い。植民地であったアジア、アフリカの関係、今年1月に大地震があったハイチもフランスとの関係が深く、地震後十日ぐらいでハイチからフランスに子どもが養子に来ている、そうです。
 だからパリなどの大都市は多民族多文化の国になっている。しかし農村部は違うだろう、ということです。「血よりも情」、家族は与えられるというよりも、自分で作っていくような感じです。しかし、それはヨーロッパ共通というよりもフランスの特徴といったほうがよさそうです。
 10月例会は来週22日23日ですので、ぜひ見てください。
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