11月例会学習会「英国人の家族観」

 11月1日に映画『クレアモントホテル』の例会学習会を行った。英国人のリル・ウィルス(カウンセラー)さんと廣野史子(関西ウェールズ協会)さんに来ていただいて、英国のことを色々聞いた。、後の居酒屋での話も含めて、とても面白い話で、英国という国柄が少しわかったような気がする。

 イギリスという呼び方が、英国を構成する4つの国うちのイングランドという支配的な国のことであることは知っていたが、その関係は日本の九州とか北海道という感じで思っていた。しかし、それらの国の関係は「日本と中国、韓国、台湾が一つの国になっているよう」というのが驚きだった。民族、文化、そして支配被支配の歴史ということらしい。


 それと、英国も日本と同じく大陸のそばで周囲を海に囲まれた島であるにも関わらず、生で魚を食べる習慣がない、というのも驚きだった。色々話を聞くと、英国の民族は大陸からわたってきたゲール、アングロサクソンで彼らは漁労民族ではなく狩猟民族で、日本のような魚を豊かに食する文化がない、ということだ。
 しかも中国や韓国、台湾、ベトナム、フィリピンなどの料理で生魚というのも、あまり聞かない。だから刺身という食文化を持っているのは、日本だけではないか、と思った。このあたりは誰かに聞きたいし、何故そうなっているのか知りたい。
映画は現代か
 この映画は原作があるけれども(エリザベス・テーラーというアメリカの大女優と同姓同名の、英国の有名な作家)、それは1960年代で、映画は現代になっている。映画に出てくる人々や周囲の雰囲気は、違和感がないのかな、と思っていたが、やはりちょっと違うようだった。
 上品な未亡人サラがロンドン生活を楽しむための辺りではないようだ。公園とかはたしかに映画のようだが、あの辺りは白人ばかりというのではなく、色々な人々がいる辺り、ということらしい。
 ホテルの住民がみんな、一人ひとりのテーブルで食事をとるのは、そういうクラス(階級)の人ではある証明みたい。介護施設などでは「みんな仲良く」となるが、自律した人は食事はプライベート、その後サロンでみんなでテレビを見るときは同席、それは社交となる。
 日本人は、同じ屋根の下で暮らして仲良くなれば一緒に食事をしようとなるが、英国人は違う。
 また言葉遣いやしゃべり方で、クラスもわかるという。クラスは財産に直結しているわけではなく、生活文化的な要素もあるから、資産家になっても元のクラスが親しめるということもある。それが2代目3代目になって、クラスが変わるのかな。
 だから映画に出てくるホテルの住民の話し方などを聞き分けると、その人の人生まで感じられるそうな。
 とまあ、色々聞いていて、映画だけではわからないことは一杯ある、ということと映画の世界は、その一部を切り取って「何か」(それはそれぞれが感じること)を出しているという、ことを感じた。
 それと今回の学習会、その後の居酒屋では初めての人が多かった。その点は、いやよかった。