『ミレニアム2』『華麗なるアリバイ』『昭和の紅い灯』

 先週は3本も映画を見ました。良い気持ちです。それぞれの感想は、おいおい書き込んでいきます。
 『ミレニアム』の原作はスウェーデンの女流作家の処女作にして遺作となった大ベストセラーです。30カ国以上で翻訳されて800万部売れているといいます。
 昨年第1作を新開地で見て、面白かったので第2作も同じくcinemaKOBEで見ました。優れたミステリー映画です。原作がいいのだと思います。しかし舞台がスウェーデンですから、この国にこれほどのゆがんだ人間がいて、国家的暗部があるのか、という感じがあります。アメリカならそうだろうという陰謀も、世界一の福祉国家には内容に思うからです。
 しかし佐々木譲か誰かの小説で、中立国は中立国であるがゆえに国際スパイの暗躍する国であるといっていました。
 第3作は今週見に行きます。
 『華麗なるアリバイ』は、ミステリー映画です。あまり社会的背景はないですが、よくある本格推理ものの映画化です。フランスの上流階級の別荘に親戚や関係者が集まったときに、プレイボーイの大学教授が殺されます。彼は、集まった人のほとんどを関係を持って、いうなれば全員が動機を持っているという設定が作られて、あまりに明らかな犯人が映像的に提示されます。
 それをひっくり返して、またひっくり返すという、よくあるパターンでした。
 でもまあまあの面白さです。
 『昭和の紅い灯』は愛川欣也の製作、脚本、監督、主演の自己満足的な映画です。これが4作目ということで、作り続けること、そのテーマは立派だと思いますが、少し控えめにすればもっと立派だと思います。
 舞台は戦前の日本、築地小劇場がモデルの演劇集団での、ささやかな天皇制国家への抵抗を試みた人々の話です。しかし映画的ではありません。
 考えてください。これを見て映画が好きになる人がいるかどうか。テーマがいくら立派でも、この厳しい状況の下で映画を作るのであれば、映画界全体に役に立つ映画にしてほしい、と思いました。
 熱意は伝わってきます。それは言い添えておきます。