『ゴーストライター』

 20日に見ました。面白かったですね。
 なんと言っても英国の(元)首相をCIAのエージェントだというのですから、これがジョークになるところがすごい。英国政界は健全なのか、と思います。
 これが日本だとジョークにはなりません。真正面から権力批判をしたことになりますから「真」の革新といっている人々でも、そこまでは描きません。小泉の政策がアメリカからの要望に基づくものだということを明らかにした人は、保守系の人でした。
 小泉は売国奴ですが、彼はCIAのエージェントではないです。それに今でも国民的な人気はあります。一方、正力松太郎はCIAのエージェントであったことははっきりしているようです。いわば売国奴ですが、それを批判する「右翼」は街頭では見たことはありません。国民は彼が育てた読売新聞を、何の疑いもなく読んでいます。かの新聞は相変わらず売り上げ部数、日本一、いや世界一でしょう。読売ジャイアンツは日本一の人気球団です
 映画とは関係のないことを言いました。


 英国の元首相の自伝を書くことを依頼されたゴーストライターは、彼の前任者が自殺(?)した謎を探っていくうちに、元首相周辺の疑惑(CIAのエージェント)にたどりつくというミステリーです。
 これまでのハリウッド映画は、アジアやラテンアメリカの政治の中枢がCIAに支配されているというのは多くありましたが、英国もそうだというのは大胆ですね。
 確かにブレア首相(当時)がイラク戦争有志連合に一番に手を上げたのは、英国と米国の特殊な関係(旧植民地、アングロサクソン系)であると見過ごしていましたが、さまざまな事実が、映画のような関係であってもおかしくはない、と思いました。
 でも元首相が公衆の面前で射殺されるシーンを作るのは、CIAを舐めているのでしょうか。それは前世紀の話でしょう。今は政治的に抹殺するようにするのではないでしょうか。例えば小沢元民主党代表のように。
 これと絡めて考えると、役に立たない、あるいはアメリカに逆らう「植民地」の政治家はあらゆる手段で抹殺されるという、アメリカのやり方を思い出したのです。