『キャピタリズム』『人間の復興か資本の論理か〜3.11後の日本〜』そして全国映連フェスティバル

 10月21日22日23日と標記の催しがありました。私はその主催者側でありましたので、終わって、何はともあれ一息ついています。
 『キャピタリズム』は文字通り、アメリカ合衆国の資本主義の正体に迫る映画でした。そして石川先生の『人間の復興か・・・』はそれと対応する日本の資本主義を解き明かしました。そして「フェス」は、そのテーマである「ディーセントワーク」をどれほど意識してくれた人がいたかは別として、分科会は盛り上がっていたようです。その中身は「全国映連」誌で紹介されますので、興味のある方は楽しみにしていてください。


 映画はマイケル・ムーアならではの突撃ドキュメンタリーです。彼は的確に敵の本陣に乗り込んでいきます。これはなかなか難しいと思います。例えばノンフィクションを核作家が対象者の取材をして、なおかつ厳しく批判するのは大変でしょう。

 しかし現在、アメリカはウォール街に抗議する人々が集まっています。ムーアの告発が広がってきたのでしょう。
 ところで、映画の冒頭で長年住み慣れた家を追い出される人々が出てきますが、それをサブプライムローンの被害者と思っておられるかもしれませんが、違うと思います。
 おそらく映画はその前から撮影を開始していますから、サブプライムが破綻する前ですし、彼らが家を買ったのはそのはるか前です。
 2000年代、アメリカは住宅バブルが続いていますから、すでに家を持っている人々はそれを担保に借金が出来たのです。ではそれは何かといえば、過剰な買い物によるクレジット破綻ではないかと思います。彼らは宣伝に乗せられた被害者ですが、乗せられた責任も取らねばなりません。返せる当てもなく借金を重ね、それで破産したのではないかな。
日本の現実 石川先生の話は非常にわかりやすいものだったと思います。しかし時間が少なかったこともあって、いいたいことを端折ってしまったのではないかと思いました。

 それは何かといえば、この現実に対抗するのは学習しかない、ということです。学ぶことはそれ自体現実との闘いです。時間をとることはなかなか大変ですが、その中を時間を作り本を読むこと、あるいは報告者となるために資料を集めることは、闘いです。
ディーセントワーク
 フェスのスローガンであるディーセントワークとは何か、と考えると「映画を見ることが出きる労働」と私は思います。それをする「余裕」もないという労働者は哀しい。


 フェスティバルに参加した人々に、この考え方はどこまでアピールできたのか、ああ難しい、と思う昨今であった。