3月例会学習会「映画『蜂蜜』に字幕を入れる」矢内達也

 今月は『蜂蜜』の字幕を担当した大学生に来ていただいた。

 
 大阪大学トルコ語を学んでいる矢内さんは、映画に感動して、直接監督に連絡し、そして世界の配給を担当するドイツの会社に連絡して、研究材料とし字幕を入れることを了解してもらう。その後さらに日本の上映権を買収したアルシネテランにも直訴して、字幕を入れる作業の許可をもらう。
 そうやって『蜂蜜』字幕は矢内さんら3人の大学生の手によって字幕が入れられた。今回は、その内幕と苦労話を聞いた。
 映画をごらんになっていただけるとわかるが、これは静かな映画で台詞が少ない。だから単純に直訳することは比較的容易だったが、映画の字幕というのは、そういうテキストを翻訳するのとは違う。映画でしゃべっている時間に合わせて、字幕を入れる必要があるのと、字幕が映っている時間によって、読み取れる字数が決まっている。1秒に4文字というのが、字幕の基準になっている。
 だから台詞をしゃべっている映像の時間ごとに字数を決めて、原語に相応しい字幕をつける作業ということだ。当然、意訳も出てくる。
 矢内さんが気をつけたのは、『蜂蜜』はコーランからの引用、あるいはコーランに出てくる物語をアレンジしたシーンが多くて、それに正しく要領よく字幕をつけることだったという。コーランを何度も読み直したということだ。
 これのために大阪大学の援助制度を貰ってトルコに行き、監督に会い、舞台となったチャムルヘムスィン市も訪ねている。


 学習会の後、恒例になっている講師を囲んでの飲み会になったが、彼は非常に礼儀正しい好青年であった。彼は朝日放送に就職が決まったという。ちょっと嫌味になったが、道上洋三は大嫌いだといってしまった。その理由は言わなかった。
 これは私の意見だが、道上洋三が橋下を応援し、消費是増税に賛成だから、私は大嫌いだ。支配層のイデオロギーをオブラートに包んで宣伝する役割を彼は担っている、と思っている。この際だからはっきりといっておこう。
 それは映画とは関係ない。

 映画の内容は、映画サークルの解説を見てほしい。
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