総選挙の評価

成功だが大勝ではない
色々な立場から総選挙の評価が出ています。全部は読みきれませんが、私は五十嵐仁さんの見解を、ほぼ支持しています。
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/
私自身の感想を、どんな風に書こうと思っていた時に、今日の神戸新聞の「針路21」を読み、これだと思いました。
世の中の色々な事象のどこを見るかによって、分析は違ってきます。その典型例です。
[神戸]としては久々に頓珍漢な論評を載せたな、と思いました。筆者は客員論説委員松原隆一郎氏(東大教授)です。
見出しは「自民大勝、戦術を誤った野党、長期政権への選択なのか」です。中身を詳しく紹介をしませんが、なぜ私が「頓珍漢」と言うのか、言います。
それは、冒頭の選挙結果の記述です。
「自民が5議席減のみで大勝、公明党も4議席増。民主党は11議席増やすも前回の大敗以前に戻す勢いはなく・・・明確な幕組みは第3極で・・・ほぼ維持は維新の党のみで、与党の完勝で終わった衆院選だった」
ここには共産党が2倍以上議席を増やした「大躍進」がありません。そこを除き、選挙の意味を書いているので「頓珍漢」といいました。東大の偉い先生に失礼な表現です。
「自共対決」の政治状況といわなくても良いのですが、いくら共産党が嫌いでも、国民の意識を見るときには、そこを除くと本質が見えないと思います。
ですからこの選挙分析は沖縄県のことを触れません。
私の選挙全体に対する感想は、安倍首相の狙いがほぼ実現したから、彼の「勝利」であり成功したと思いますが、自民党議席を減らしていますから大勝圧勝と言う評価ではありません。
沖縄が示した民意
沖縄の小選挙区自民党議員全てが落選しました。沖縄県民は普天間基地辺野古移設を、知事選挙に続いて、拒否しました。もし安倍首相が、政治家として民意を尊重するのなら、工事を中止しなければなりません。
そして今回の選挙によって「2年間が信任された」と言うのであれば、沖縄では完全に否定されたと認めるべきでしょう。
選挙前と選挙後の議席配分を見ると、9条改憲を進める「次世代の党」が減って、九条の会などと共同歩調をとる共産党が増えたということです。
自公与党が「信任」されたという現状維持と同時に、その「変化」も評価するべきだと思います。
小選挙区制度という、民意を反映しにくい選挙制度に改悪したために、投票率が低下していく現状、原発廃止という多数の世論と逆に再稼動に行く現状をジャーナリズムをもっと批判するべきだと思います。
小選挙区制度はやめるべきです。さらに沖縄の状況を見たときに、沖縄で否定された自民党候補は比例の九州ブロックですべて当選という矛盾があります。重複立候補はすぐにでもやめるべきです。