「スコットランド、言葉と文化と映画」中尾正史(日本スコットランド協会 副代表理事)

4月例会『天使の分け前』(監督ケン・ローチ)は、スコットランドの若者の現状を辛辣でコミカルで、そして結末は「これでいいか」と思うように描いた映画です。ケン・ローチの温かい目を感じます。
そしてこの映画を堪能するには、舞台となるスコットランドを知っていると良いと思います。
今回、講師をお願いした中尾さんは神戸出身ですが、現在は東京在住です。かなり無理をしてきていただきました。本当にありがとうございました。
そしてほかでは聞けない、神戸とスコットランドのこととかをお話いただきました。

私も含めて、日本人はイギリスとスコットランドをあまり区別して考えることをしません。しかし、ちょっと調べてみると、複雑でした。
サッカーのオリンピックにイギリスというチームは出ないし、ワールドカップにはイングランドスコットランドというチームが出場します。これはサッカーという国民的スポーツの由縁なのです。
オリンピックは国単位のチームしか認めませんが、通称イギリスの人々にとって大切なサッカーは我らの代表チームでないとダメなのです。イギリスなどというチームはありません。
逆にワールドカップはサッカー発祥の地に特典を与えて、4つの地域ごとに出場権を認めています。
通称イギリスは、そのように複雑です。