2月例会学習会「住んでみてわかったフランスのイロイロ」

映画サークルの2月例会『パリの家族たち』の学習会を2月15日15時から、標記のタイトルで行いました。お話していただいたのは山田剛士さんです。日仏協会のフランス語教師です。

山田さんはプロサッカー選手を目指しての留学、兵庫県の日仏交流で2年半ほフランスで暮らしたそうです。その経験を元に、フランスとフランス人の特徴、実態などを、絵や写真を活用して分かりやすく話していただきました。

 映画『パリの家族たち』はパリに住む、母親を中心とした数家族のエピソードを描いたもので、この話と重なる感じで聞いていました。

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 まずサッカーを通じてフランスの特徴を話されます。サッカー大国フランスはワールドカップの常連で2018年と1998年の2度優勝しています。そのチームのメンバー構成は移民、旧植民地出身者が多いということです。国として欧州の中でも移民の割合が高くなっています。

 国籍は出生地主義を取り、フランスで生まれた子どもはフランス国籍を取れます。

 フランスのサッカーリーグは欧州4大リーグ(西、伊、英、独)に入っていないのが面白く、選手の育成が上手な国なのです。

 そして現在のフランス人、フランスの原点はフランス革命です。自分達で国を作るという意識が強く、選挙や議員に任せるのではなく、デモやストライキで自己主張します。

 学校教育の目的も日本が「協調」なら、フランスは「自立」です。自己主張と考えることが人間にとって大事だといいます。

 筆記道具は鉛筆と消しゴムは使わず、ボールペンと万年筆で、間違いと訂正が分かるようにしておくのがいいのです。

 そして学校には体育館もグランドもプールもないのです。これらは地域にあって、行政がスポーツクラブなどの運営をしています。クラブ活動がないので、日本と比べて教師の負担が格段に違います。

 一般労働者の年間労働時間は日本より150時間ほど短くて、夏のバカンスの時期はパリにいるのは観光客ばかりになるそうです。しかし大企業や行政を背負うエリート層は2300時間以上も働くとも言います。

 そして恋愛は個人の自由度が高く、同性婚も認められているし、恋多き大統領も決してマイナスではないようです。男の育児休暇で点数を稼ごうという大臣はいるのかどうか分かりません。

 お話にあったフランス人らしさはこの映画のすき間からよく見えますし『12か月の未来図』にもありました。

 付け加えて、日本の漫画はフランスでは大人気だそうです。