第45代米国大統領、ドナルド・トランプ

誰が支持したのか
世界の超大国、米国の指導者にドナルド・トランプが当選しました。世論調査では、ヒラリーが先行していましたが、トランプ支持がどんどん接近してきました。
結果的には、得票数ではヒラリーが上回りましたが選挙制度によってトランプの圧勝となりました。
プア・ホワイト(貧しい白人層)が支持したという分析があります。それに加えて、あれだけ女性蔑視の発言をしましたが、白人女性も多数が支持したようです。
藻谷浩介さんが10月23日[毎日]「時代の風」で「結局最後は、何とかクリントン氏が勝つだろう」といっていましたが、トランプ勝利は私も予想外でした。
「隠れトランプが大勢いた」と言われていますが、藻谷さんは「伝統的に共和党支持である自営業者や中小企業経営者にも期待する層は多い」と言っています。
浜矩子さんは10月15日[毎日]「危機の真相」で「史上最低コンビの戦い」と言う見出しで、二人とも「低見識がいかにも目に余る」と批判しています。そこには米国社会の「1つに、知性の荒廃。そして二に、その魂の弱体化」があるといいました。
トランプ支持層には、プア・ホワイトだけではなく、「結構な高学歴・高所得を誇るビジネスエリートたちが、存外にトランプ的な弱肉強食論を支持しているらしい」と指摘しています。それは彼らが自らの既得権益を守れたら誰でもいいと言うエゴイズムが見て取れます。
11月10日のコラム
当選が決まった翌日の新聞1面下のコラムは、全国5紙と[神戸][赤旗]すべてが米国大統領選挙を書きました。
それぞれの文章の特徴的な締めくくりのところを紹介してみます。余録「英国のEU離脱に続き、良く国際秩序を主導した国の民主政治の大乱調である」。天声人語「少数者への差別や排除があおられないかきわめて心配である」「民主主義は完璧ではないことを教えてくれた選挙だ」。春秋「人類や地球の行く末までもが全身にのしかかってくる。破天荒な挑戦者の時代は過ぎた。自覚してほしい」。編集手帳「米国民に苦い薬が入用にならないか、心配は尽きない。日本にとっても予測のつかない時代が始まる」。産経抄「何より米国さえよければいい、と言わんばかりの言動は、同盟国の不安をかきたてる」。正平調「資質に疑問はあれど、希望を託す国民が多かったと言うことか」「アメリカの後悔『アメグレット』が生まれなければいいが」。潮流「そこには貧富の拡大や生活への不安、陰りゆく大国の現状を変えられない従来の政治にたいする米国民の強い怒りと、変革の要求があります」
私は、これらがいうことはあたっていると思います。それに加えてトランプが発した罵詈雑言、移民や女性差別、などが許されると思う人間が増える社会、トランプ的(嘘と張ったり)な人間が大きな顔をする社会になっていくと思うと、ますます憂鬱になります。