『チャルラータ』『ビッグシティ』『グレート・ミュージアム』『アイヒマンを追え』『怪しい彼女』『スロウ・ウエスト』『シェーン』『島々清しゃ』『ヒトラーの忘れもの』『皆様ごきげんよう』の10本でした。
いちばん良かったのは『アイヒマンを追え』でした。副題で「ナチスがもっとも畏れた男」とついています。
この副題は意味深ですね。主人公の検事長フリッツ・バウワーは戦後に亡命先から帰ってきました。当然ナチスは壊滅しているはずですから「畏れる」主体はないはずです。ですがあるといっています。
映画はバウワーの執念と、それに抵抗するナチス残党を描きます。彼らは警察、検察、高級官僚、軍部、大企業幹部そして教育機関にもいました。
まずアイヒマンを逮捕し、その後『顔のないヒトラーたち』で描かれたアウシュビッツ裁判に続きます。
ドイツは自浄作用を働かせナチスを告発しました。そこが日本と違います。特高警察などの軍国日本を支えた連中はそしらぬ顔をして戦後日本の政財官、軍部、学などにいました。正力松太郎等その典型です。
その関連で『ヒトラーの忘れもの』もいい映画でした。
ナチスはデンマークの海岸に大量の地雷を残していきました。その地雷除去をナチスドイツの少年兵が負わされたと言う映画です。
デンマークはドイツに占領されます。その間、いろいろな屈辱があったと思いますから、デンマーク人はドイツを憎んでいます。
ヒトラーが残していった地雷をドイツ兵士に除去させるのは当然の措置です。ですが少年兵たちは地雷除去の経験がありません。彼らの大部分は死にます。
彼らを管理していたデンマーク兵士といつしか心を通わせます。人間と言うのはそういうものだ、と感じさせてくれました。
憎しみがいつまでも続くのは、昔からの憎しみが続くのではなく、次々と連鎖的に「憎しみが生み出される」、そんな現象があるからだと思います。
『シェーン』は懐かしい映画ですが、改めて上手に出来た映画だと思いました。
『チャルラータ』『ビッグシティ』はサタジット・レイの映画です。元町映画館の特集で見ました。1960年代のインド都市部我描かれています。当時の日本とよく似ていると思いました。
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1月29日に走ったたつのハーフマラソンの写真は以下のfacebookにあります。
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