9月例会『Viva!公務員』学習会

9月13日(木)牧みぎわさん(桃山学院大学)に来ていただいて『Viva!公務員』に則したお話をしていただきました。
この映画はイタリアの地方公務員がリストラに逆らったために、人事担当者の嫌がらせであちらこちらに「跳ばされる」と言うコメディです。原題は「僕はどこへ行く?」です。

イタリア映画史上最高の興行収入を上げた映画で、脚本、主演のケッコ・ザローネは、マルチな才能豊かなコメディアンだそうです。彼の映画を見るとイタリアが良くわかると、牧さんは言われました。
芸名も「ケッコッザローネ=ド田舎者」と言う意味です。

この映画の背景には、イタリアの雇用状況があります。「プレカリアート」(不安定とプロレタリアートを掛け合わせた造語)という非正規の労働者がイタリアにはたくさんいます。しかも失業率は11%(2017)です。ですから(終身雇用=公務員)にしがみつくケッコにおかしさと悲哀が出るのでしょう。
ケッコが跳ばされる赴任地の特徴も詳しく話をしていただきました。海外への赴任はありえないだろうけど、「姉妹都市の業務提携」なら可能性はあるか、と言う話です。
その話は省略しますが、この映画の面白さとしては、にふんだんに出てくるイタリアのコネ社会やイタリア男のマザコンぶり、公務員のいい加減さ、そしてイタリア人の「非市民的」気質などを味わうことが楽しい、と指摘されました。
最後の質問コーナーで、リゾットに適した熟成米の話や、イタリアでも寿司が流行っている、北と南の違い等が出ました。
牧さんの専門はイタリアの食文化と言うことですので、今度はそちらの話をお聞きしたいなと思いました。
神戸映画サークル協議会9月例会の日程等は柿をご覧ください。
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