『プロミシング・ヤング・ウーマン』『ウィリーズ・ワンダーランド』『梅切らぬバカ』『わたしの叔父さん』『皮膚を売った男』『ドント・ブリーズ2』『ドアマン』7本でした。
東北へ3泊4日で行き、土日に色々な用事もありながらよく見ました。シネマ神戸の2本立てを2回言って本数を稼ぎましたが、しかしそこで見た「B級」映画は人殺しと破壊ばかりで、今月は面白みに欠けました。残念です。
残りの3本は良かったです。
『プロミシング・ヤング・ウーマン』
最初はどういう切り口なのか、ちょっとわかりませんでした。タイトルは「将来有望な若い女性」という意味です。
出だしは、酒場で酔った女の子を介抱するふりをして「お持ち帰り」する男を叩きのめす映画かなと思いました。途中から自殺した親友の仇を取る話に変わっていきました。
キャッシーが医学生であった時に、クラスメイト達が親友をレイプします。しかもその映像が流されて、彼女は自殺しました。
彼女は加害者(男も女もいます)たちを懲らしめようと、追いかけます。
そして主犯の男の結婚前夜に、復讐を企てます。男たちのパーティに娼婦に化けてやってきますが、逆に殺されて山の中に埋められてしましました。
しかし彼女は、死んだ後に発動する仕掛けを作っていたので、それですべてが明らかになって、彼らは全員つかまって、めでたしめでたしでした。
でも復讐物はどうも嫌いです。キャッシーが自分の幸せよりも、死んだ親友の復讐に拘るのは不自然です。
『ウィリーズ・ワンダーランド』
ニコラス・ケイジが主演だからと期待してみたのですが、お遊びの映画でした。
つぶれた遊園地(ウィリーというイタチが主人公)にある動物人形(ロボットでもない)に呪いがかかっていて、人を襲うようになっていました。町に出ることを防ぐために、遊園地の持ち主は、旅行者を誘い込んで、彼らを生贄にしていたのです。
誘い込まれたニコラス・ケイジが、圧倒的パワーで、彼らを叩き潰しました。
『わたしの叔父さん』
市民映画劇場11月例会、デンマーク映画です。機関誌に解説を書き、西神ニュータウン9条の会HP11月号には短い紹介も書きました。
機関誌に書いた解説を別途、このブログ(2021年12月7日)に上げています。
『梅切らぬバカ』
いい雰囲気の映画ですが、物足りないことがあるので、ちょっと注文を付けたくなりました。
障がい者もその家族も生きづらいですが、社会福祉を担う職員たちにも満足な処遇をしない日本です。そこのところの描き方が不満でした。
自閉症の息子チュウさん50歳、彼の心配する母、彼らを取りまく日常です。
多様性などと言いますが、生活スタイルが違う人が近くにいると、煩わしいし誤解もあってトラブルが発生します。不寛容な世の中ですけれども、最後は、引っ越してきた隣人家族と仲良くなれてよかったなあと終りました。
簡単な紹介、感想を西神ニュータウン9条の会HP12月号に書いていますので、そちらも見てください。(http://www.ne.jp/asahi/seishin/9jyonokai/)
『皮膚を売った男』
猟奇的な題名ですが、現代の国際社会の市場原理が優勢な法制度がいかに矛盾に満ちたものか、人権と芸術作品、商品の関係を明示するような面白くて残酷な映画でした。
シリアで、恋人にプロポーズしちょっと浮かれて反政府的な言葉を吐いたために、警察に逮捕されたサムは、何とか脱走して隣国レバノンに逃れ難民となりました。
ひょんなことから国際的な評価の高い芸術家ジェフリーに生きた芸術作品になる提案を受けます。背中に「ビザ(入国査証)」の図柄を刺青として入れられて、シェンゲン査証(EUの主な国を自由に行ける短期滞在の査証)ベルギーの美術館に出展されました。難民では渡航できませんが、美術品としてなら行けます。
そこで展示され、観客に背中を向けて座りじっとしているだけです。サムは世界中の話題となりました。
恋人アビールはシリアの外交官と結婚してベルギーにいました。美術館の時間外は自由ですから、サムは会いに行きますがうまく行きません。アビールの夫と美術館でトラブルを起こして、サムは美術品収集家に売られていきました。
サムはオークション会場で爆弾騒ぎを起こして、人間として逮捕されますが無実となって、離婚して自由になったアビールと、故郷のラロッカに帰ってきて・・・。
実際にあった、ヴィム・デルボアという芸術家の「TIM」という刺青が展示されたことにヒントを得て作られました。
『ドント・ブリーズ2』
前作があるようですが、あまり見たくありません。
元海軍の特殊部隊にいた老人が、彼の幼い娘を奪いに来た男たちと殺しあって、守り抜く話です。彼は盲目です。
その娘を奪う理由は、彼女の母親が心臓病を患っていて、助けるために娘の心臓を移植するためです。彼らは麻薬グループです。母親もその一味で、彼女は覚せい剤を調合する技能を持っているから、何としても生かさねばならない、という理由です。しかもその母も娘の心臓を移植することに同意しています。
ひどい話です。
映画はひたすら破壊と殺し合いでした。
『ドアマン』
これは北村龍平という日本人監督が、米国資本で作った映画です。
ジャン・レノが出ているので面白い映画ではないかと期待したのですが、殺し合いのアクション・シーンが主な映画でした。ジャン・レノが出ているシーンだけが落ち着いてみることができました。
海兵隊の特殊部隊の所属で、外交官一家の護衛をしていた女性アリは、テロリストに襲われ、彼らを守れずに除隊します。
傷心のままに、死んだ姉の家族、義兄の家族が住む高級な高層マンションの管理人(ドアマン)として働き始めます。マンションは全面的な補修工事中で、ほとんど空き家になっていました。
そこへ正体不明の強盗団が押し入ってきました。彼らは、義兄の部屋の元の所有者が隠し持っていた高額の絵画を奪いに来たのです。
ジャン・レノは強盗団のボスです。
マンションの中で、アリと強盗団の死闘が展開されました。
感想を言うような映画ではありませんでした。