3月21日の神戸新聞にアンジェイ・ワイダ監督のメッセージが載った。なんと迅速な対応だろう。85歳もっともポーランドを愛した男である。彼が「日本の友人たちへ」と呼びかけてくれた。
「恐るべき大災害に皆さんが立ち向かう姿を見ると…尊敬の念を新たにします。その姿は、世界中が見らなうべきです」今回の大災害に対してどう立ち向かうかに対しては次のようにいいます。
「こうした経験を積み重ねて、日本人は強くなった。理解を超えた自然の力は、民族の宿命であり、民族の生活の一部だという事実を、何世紀にわたり日本人は受け入れてきた。今度のような悲劇や苦難を乗り越えて日本民族は生き続け、国を再建していくでしょう」そうです。日本は非常に美しい国土と季節を持っています。その美しさはこの非常な自然と裏表の関係にあった、と気づきました。
ワイダ監督はポーランドにいて、その非情さを指摘します。それとあわせて日本人という民族の歴史意識をも賛美します。
「日本人が悲観主義に陥らないのは、驚くべきことであり、また素晴らしいことです…日本の芸術には生きることへの喜びと楽観があふれて…力強く、様式においても完璧です」
そして「この至難のときを、力強く、決意を持って乗り越えられんことを」願う。と結んでいます。
私は今回の震災、津波、原発事故の被害者ではいないけれど、このようなワイダ監督のメッセージに感動した。そうなのだ、一緒にやれるしがんばろう、となる、と思いました。