9月例会「シチリア!シチリア!」学習会

 イタリア映画、それもシチリアを舞台にしているから、講師は竹山博英先生です。先生には本当にお忙しい中、京都から来ていただきました。心からお礼申し上げます。
 マフィアの生まれたところですが、何故マフィアが生まれたのか、その歴史的な背景があります。シチリアは何度も多くの他民族の侵略を受け支配されてきました。
 その最後の支配者は、スペイン王ブルボン家です。その支配の特徴は大土地所有です。数100ha規模の土地を貴族が所有しますが、彼ら、その土地を耕したりしませんし管理もしませ。マフィアは、その土地を「借り受ける」形での管理人となったのです。貴族は土地だけを所有し、マフィアは土地を耕す農工具や、家畜、種を持ち、それを農民に貸し付ける形で、農民を支配、管理したのです。
 彼らは暴力を持って、土地を支配しました。スペインの支配者はシチリア島の秩序を維持しようとしませんでした。そのためにシチリア内部は山賊があふれていたようです。その王国の軍隊に変わって秩序を維持したのがマフィアだったのです。
 彼らは、最下層にいる農民を支配し、彼らを略奪したのです。だから第2次大戦後、大規模土地所有が廃止される闘争では、マフィアとイタリア共産党の戦いになります。
 その後も、マフィアの支配は続きます。政治闘争、利権と暴力によってシチリアはゆれ続けます。
 この映画は、そこに注意してみる必要があるようです。

 例会は、9月16,17日です。こちらをご覧ください。
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