8月3日、8月例会『ある戦争』の学習会として標記のタイトルで、神戸市外大の五月女律子先生にお話いただきました。
『ある戦争』はアフガニスタンの国際治安支援部隊に派兵されたデンマーク軍の話です。この映画を見ながら、なぜデンマークはアフガニスタンに兵士を派兵するのか、デンマークの国民は海外の戦争に参加することをなぜ認めているのか、と言う疑問が湧いてきて、これに答えていただける講師を捜していました。
最適の先生でした。
映画サークルのHPにこの映画の紹介を載せていますから、映画についてはそちらをごらんください。
https://kobe-eisa.com/
世界一幸せ
色々な指標で、デンマークはとてもいい国であると、私は思っていました。福祉や労働条件、住環境等ですね。それは間違いないようですね。でも平和と言う点では、ちょっと違うようです。
まず徴兵制があることですね。でも米国等で言われる「経済徴兵」ではないです。学費や健康保険、生活に困って軍隊に行くしかない、と言う状況ではありません。
18才以上の「適格者」は誰でも「くじ」で徴兵の対象になるそうですが、実際は希望者が多いそうです。軍隊生活を送ることが将来の有利なキャリアになると言います。軍隊に対するデンマーク人の評価です。
発展途上国に対する支援が多く、政治家や公務員の汚職が一番少ないと言う評価もあります。
いい国です。軍事に関して意外はいい国だと思います。
なぜ米国の国際戦略を評価するのか
今回の学習会で一番疑問であったことは見出しのことです。
デンマークは第2次大戦後からNATOの1員でしたが、米国とは距離を置いていました。ところが東西冷戦終結後の時代は、米国の有志連合に加わってアフガニスタンやイラクに派兵しています。国連主義ではないのです。
しかもそれに対して国会でも市民運動でも大きな反対運動はないようです。「軍事的活動は平和や発展を実現するための1手段との認識がある」と五月女先生は言われました。
そんな馬鹿なと思いますが、現実です。