北区9条のつどい「日本を取り巻く戦争危機と憲法」

11月26日北区すずらんホールで、柳澤協二さんの講演を聞きました。とても良かったです。
小泉、第1次安倍、福田、麻生内閣内閣官房副長官補(安全保障・危機管理)を務められた人です。防衛官僚のトップだった人が、日本を戦争に巻き込まれないようにするために、どうすればいいのか、全国の9条の会と協力する立場で、活動されています。


書かれた本を読んでいたのですが。どういう感じでお話されるのかを聞きたくて、鈴蘭台まで行きました。とても真摯で分かりやすい話をされる人でした。そして最後に集まった9条の人々に励ましを与えるサービスまでありました。
印象に残ったところを、以下に書いておきます。
戦争とは
戦争の本質的部分について、古代ギリシアのトゥキュディデス「戦史」や19世紀のクラウゼヴィッツ戦争論」から、現在の状況を読み解きます。
戦争の要因は富、名誉、恐怖であり、それから考えると今日では「戦争は割に合わない」と言う大方の国々の認識です。
(トランプは、富と名誉を独占して、恐怖で威嚇しようとしていますから、平和の報告ではない、とばっさりです」
そして戦争は「政治の手段、社会の産物」であり、「国民、軍隊、政治」が三位一体となって起きるから、国民皆兵でない現代では国民世論の熱狂が必要で「国民の責任」(煽られる群集か、考える主体化か)が重要となってきます。
現在の情勢
北朝鮮の「脅威」が煽られているが、米国は戦争と言う選択肢はない、いいます。戦争を決断するには「①勝つ見通し、②受け入れ可能な損害、③安定した戦後秩序」が必要で、①はあっても②も③もありません。②は、米国はこれまで核兵器を持った国と戦争をしたことがない、③はアフガニスタンイラクで懲りている、ということです。
アベ政権は圧力ばかり言うが、なぜ北朝鮮からミサイルがくると思うのか。他のミサイル保有国は日本を攻める意思がない、北朝鮮はあると思う理由、それは米朝対立があり、米軍基地の存在があるから。
その矛盾に気づくべきです。
国民投票に勝つために
1時間の講演の後、かもがわ出版編集長と松竹さんと対談です。ちょっとかみ合った話にはなっていませんでしたが、柳澤さんの話は、自衛隊を擁護するものとしてよく分かります。
9条に自衛隊を書き加えることで、「認めてもらいたい」という思いは果たせるが、他国と戦争をしない、一人の犠牲者も出してこなかった自衛隊を守れるのか。
国民投票は、相手も怖がっている、もし負けたら自衛隊の存在そのものを考え直すことまでなってくる。
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非武装中立から専守防衛まで、幅広い意見を集めてアベ改憲に反対する勢力を広げていけると思いました。