2017年プロ野球を振り返って−広島カープを中心に

MVPは、セ・リーグが広島カープ丸佳浩外野手。パ・リーグソフトバンクホークスデニス・サファテ投手に決まりました。チームがリーグ優勝して大活躍の二人ですからいいですね。おめでとうございます。

でも丸選手はこれで満足してもらったら困ります。もっとキャリアハイを更新して、首位打者やトリプルスリーを目指してもらわないと。それにMVPも鈴木誠也選手が怪我をしなかったら彼になったかもしれません。まだまだ満足できないですね。
看板であるタナキクマル、誠也の打撃陣ははお互いに切磋琢磨し、そして今年大ブレイクした薮田等若手投手陣も、競争しながらチームを3連覇4連覇(さらに5連覇ぐらい)に導いてほしいですね。
紙一重
広島カープは二位に10ゲーム以上開けて独走したように見えますが、事実は違うと思っています。巨人軍に大きく勝ち越し、中日ヤクルトもお客さんにして勝っただけで、DeNAには負け越し、阪神ともいい勝負でした。
勝ったところも含めて、紙一重の勝利が多くあります。それと「逆転の広島」で勝って来ましたが、その粘り強さは誉められても、常勝チームになるためには先取点を与えない戦い方が必要です。
CSで負けたために色々言われていますが、ファンとして私は気になりません。むしろ3連覇に向けて欠点等を修正するチャンスです。ペナントレースが最も大切です。
連覇を続ける中で、短期決戦にも強い戦い方を身につけてほしいとお思います。
昔、西本幸雄という監督がいました。大毎、阪急、近鉄とリーグ優勝して8度日本シリーズに出ましたが、一度も勝てませんでした。でも私は立派な監督だと思っていますし好きです。
弱小チームを練習で鍛えてペナントレースを制覇できる力をつけることはすごいことです。短期決戦は運不運の要素が大きいから、そこにあまり比重を置いて考えることはないと思います。
他チームが弱かった
もう少し感想を言うと、他チームが弱くて助かったと思います。阪神タイガース福留、糸井、鳥谷が中心の打線で迫力不足、巨人も同じであれだけすごい先発陣でありながら阿部、村田等の中心打者が駄目でした。中日ヤクルトはけが人続出で1年間を闘えるチーム力ではなかったですね。
唯一DeNAが強力打線と若手投手陣で、荒削りながら力強さを感じていました。そして実際にペナントレースで負け越し、CSで負けました。
広島カープも野村、ジョンソン、中崎、ジャクソン等2016年の優勝を勝ち取った投手陣は不調でした。それを補った薮田、岡田、大瀬良、九里の成長がありました。打撃陣は多少の好不調の波はあり、菊池の怪我もありましたが、安部、バティスタが台頭し全体として力強かったです。
2018年は打撃陣は全体としてこの調子を維持し、投手陣は、野村がローテーションの中心に座り、若手左腕(両高橋、戸田、塹江)が出てくれば、3連覇が見えてきます。
勝負は怖い
パ・リーグは、昨年日本一の日本ハムが5位に沈んだことが驚きです。陽岱鋼が移籍し、大谷が故障という当初から戦力ダウンがありましたが、ここまで落ちるとは、驚きです。そうすると大本命ソフトバンクの独走かと思えば、楽天が前半を首位に立ち、西武も頑張りました。ソフトバンクは武田や和田というエース級を怪我で欠きながら上位で踏ん張りました。内川、柳田も故障で1時は大変でしたが、最後は突っ走りました。本当に層が厚いと思います。やはり来年度以降も優勝の大本命でしょう。
広島の5連覇
勝負は相手があって、自分より弱い相手ばかりだと勝ち続けることが出来ます。広島が連覇を続ける可能性は、広島自身が強くなっていくのと同時に、相手がそれほど強くならない、ということで可能になってくると思います。
昔の巨人9連覇は、王長島と言う不出生の強打者がそろっていたこともありますが、ドラフト制度がなく素質のある選手を採り放題だったことで、巨人は強く他は弱くあり続けたのです。
戦前はA級戦犯、戦後はCIAのエージュントという根っからの売国奴正力松太郎の面目躍如です。
その後も、巨人が強い時代はFAをとり放題と、ドラフトに逆指名、自由枠を持っていた時代です。
ですが、今は公平なくじ引きのドラフト制度ですから、巨人の時代は暫く来ないといっていいと思います。
他は広島と同じ条件ですから、彼らに勝てるかといえば、難しいけれども、今の選手が力を発揮すれば、タナキクマルの力が落ちてくるまで勝てると、私は思います。