2020広島カープを振り返り、2021へ

 今年の状況を確認しながら、来季に向けた希望を見つけていきたいと思います。チームと個人的に期待する選手について書いていきます。

投手陣の崩壊

 佐々岡監督の1年目でしたが非常に残念な結果でした。5256125位です。

出だしの6月だけが2位で、後は最下位、5位で浮かぶことがありませんでした。しかしエース級のジョンソン、大瀬良、野村を欠きながら1011月は19114分でした。若手が頑張ったとみるべきでしょう。

これを見ると今年はダメだったが、来季に希望を持たせるものです。

負け越した原因を列挙すると以下のようになります。

  1. 投手陣の崩壊。特に中継ぎ、抑えに人を欠いた。

  2. 打力、守備力の全体的な低下

  3. 勝利への執着力の低下

  4. 監督の力量不足

 セ・リーグの順位は①読売②阪神③中日④DeNA広島⑥ヤクルトとなりました。

日本シリーズで読売がソフトバンクに昨年に続く4タテを食らったように、ペナントレースを独走した読売も決して強くありません。戦力自体は、ヤクルト以外はほぼ団栗の背比べ状態だと思っています。その中で戦力がうまくかみ合ったのが読売ということですが、それは監督の力かもしれません。ですから故障者が多く出た広島は佐々岡監督の力量不足を上げました。

投手陣は、先発ではジョンソンが全く勝てず、しかも前半戦は抑えに予定していたスコットも使い物にならず、3連覇時に実績のあった一岡、今村、中崎がそろって不調で、フランソワも出来不出来が激しい状態でした。ここまで中継ぎ、抑えがひどいのは予想外で、首脳陣も苦労したでしょう。

実績と力量の見極めが出来なかった監督、投手コーチの責任は重大です。

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崩壊状態の投陣の中で新人の森下が10勝あげる大奮闘しました。九里も奮闘して規定回数を投げています。後半になって大瀬良と野村が故障で抜けても、遠藤、中村祐二がローテーションに入り、あまり調子がよくない床田を含めて5人態勢が出来、空いた時に薮田が投げていました。

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そしてなによりフランソワの抑えが安定し、塹江も8回を何とかできる状態、ケナムも安定した投球が続き、後ろがそろってきて勝ち星が付きだしました。

去年活躍した菊池は抑えに回された時はダメでしたが、本来の中継ぎではまあまあで、中田も中継ぎの1員としては帰ってきた感じです。若手の島内は頑張っていましたが、塹江やケナムのレベルにまでは届きませんでした。でも速い球があるので、もう一段上がれば、良くなるでしょう。

そんなことで投手陣は、前半があまりに悪すぎて、後半に少し頑張ったぐらいでは取戻しは出来ませんでした。今年は全く駄目だった岡田、中村恭平、矢沢、手術した高橋昂也、アドゥワ等など、再生する可能性を持った若手、中堅がいますから希望はあります。

堂林は本物か

野手は主軸としてフルに働いたのは鈴木だけで、菊池や田中、松山は最終的にはそこそこの数字にはなりましたが、これも前半がダメでした。それに対し堂林が「覚醒」と言われるぐらい、前半はよく打ちました。夏に全く駄目になりましたが、秋にはまた復活しました。彼が本物であれば打線の厚みが増します。

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若手では坂倉が活躍し、少しだけですが大盛、羽月等若手に出番がありました。でもまだこれからです。ベテランでは長野は昨年に比べて格段に良くなりました。

それに引き換え、長期離脱した西川や主軸を担うべき会澤、野間が期待を裏切りました。そして外国人もピレラはそこそこですが主軸にはなれなくて、バチスタが抜けてメヒアに期待しましたが、これも伸び悩みです。2軍ではよくても1軍では存在感がありません。

攻撃が全体的に「そつのない野球」ができず、打線が粘っての逆転もあまりありません。守備力も落ちているように感じます。

ノーアウト、ワンアウト3塁の時に確実に点を取る、それが出来ませんし、相手のすきを見て進塁することも出来ない場面が多くありました。わずかなことです、3連覇時はそれがありません。

それとエラーです。タイムリーエラーが目立ちます。

緒方監督から佐々岡監督になり、本人の雰囲気ですが、厳しさがない感じです。それに外国人投手の力量を見誤っていたという印象を持ちます。速いボールを持っていたスコットが抑えで全く駄目、と言うのが、出足を大きく狂わせました。

勝ちにこだわる

 今年は久しぶりに読売に負け越しました。3連覇の時は負けていても「いつかひっくり返す」という感じがありました。相手は嫌だったと思います。それが、菅野が出てくると負けか、と言う感じになっています。

阪神の西投手にも04敗です。足を絡め打線として機能する工夫が必要です。どんないい投手でも必ず打ち崩す迫力を持たないと、そんな雰囲気のチームに再生してほしいと思います。

 昨年も書きましたが、誠也と菊池以外は複数のポジションを守れるように練習してほしいですね。坂倉にしても捕手にこだわるのはいいですが、一塁か外野を守れればもっと出場できると思います。磯村も右の代打と一塁の守備が出来れば打線の厚みが増します。

 投手陣の立て直しは、すぐに目につきますが、それだけでは不十分で、優勝できないと思います。広島は攻撃と守備の迫力です。

優勝を争い、日本一をめざすチームに

 私は、毎年の優勝を求めているわけではありません。しかし現状のセ・リーグを見ると「強い」と言うチームはありませんから、優勝争いをしていれば、ここぞというときに力を発揮するチームが抜け出すことができます。

 読売の打線は迫力を感じますが、投手力はそろっていません。まして菅野が抜ければ柱がない状態になります。普通にみるとDeNAは打線も投手陣もそろっているように見えますが、故障者が出たりして、しかも試合運びにむらがあって、今期でも上位に来ていません。阪神は明らかに打力不足です。ヤクルトは投手力の数が足りません。

 バランスからみると中日が浮かび上がってきます。しかも投手では大野と抑えのマルティネス、打者では大島、ビシエドという中心がいて、伸びしろのある若手もいます。

 そうみると、広島が各選手、特に投打の主軸がしっかりと持っている力の8割程度を出せれば優勝に絡めます。

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 投手では森下、野手では堂林が今年程度の力を発揮するのが前提ですが、田中や中崎などの中堅選手が3連覇時の力を取り戻さなくても、小園や大盛等、若手の伸びてきたチーム力は、丸の穴を防ぐことができる、と思います。

 個人的にアドゥワと坂倉が活躍することを願っています。