新聞記事を読みながら

相変わらず新聞の切抜きをしています、いつかなにかの役に立つかな、と思いながら。でもそれらを材料にまとまった文書は、中々書けません。
今日は、尻切れトンボになろうとも、気になっていることを思い切って書きます。
日韓合意
従軍慰安婦の問題です。2015年12月に日韓の外務大臣が「最終的かつ不可逆的に解決させる」合意が、文書ではなく共同記者会見で発表されました。朴槿恵大統領の時代です。
それを新たに大統領になった文在寅大統領が見直すという公約を掲げていました。実際には日本政府に対し「再交渉は要求しない」「日本が自ら元慰安婦の名誉と尊厳の回復に努力することを期待する」といいました。
それに対して、日本側から批判があります。[毎日]の社説(1月11日)は、「『合意』の根幹を傷つけた」と言う見出しです。「政権交代があっても国家間の約束は守ると言うのが国際常識だ」とまで書きました。そういう意見はあるようです。[朝日]の「お客様オフィス(12月23日〜1月26日)」でも「合意したのだから履行すべき」「一方的で、世界に通用しない」「(日本政府は)断固抗議していい」と言う意見があったといっています。
もちろん「安倍首相の『おわびと反省』は誠意が伝わらなかった」と言う意見もありました。
私は「国と国とが合意したから変えられない」というものはないと思いますし、この場合は条約でもなく文書も交わしていません。大統領は国民の代表ですから、公約に基づいてものを言うのは大事なことだと思います。国と国との合意については、きちんと配慮と手続きをすればいいことです。
それを日本政府がまったく受け付けないのは、逆にどういうことだと思います。被害者が加害者に対して「自発的な真の謝罪」を求めることに対して「韓国政府も納得したし10億円払ったから文句を言うな」というような言い草が「心からおわびと反省の気持ちを表明する」と言った国の態度でしょうか。
大阪市のように慰安婦少女像を認めたサンフランシスコ市と姉妹都市を解消するような恥ずかしい市もありますが、「良識派」とおもっているマスコミもこんな言い方が多数を占めるなんてイヤな国です。
日本人はもう少し恥を知っていると思っていました。
米軍基地問題
名護市長選挙辺野古基地容認派市長が当選しました。個人的には残念ですが、そこの市民の選択ですから仕方ありません。
気になるのは基地「移設」と言う書き方です。普天間の米軍基地を辺野古に「移設」するからそう書くのでしょうか。私はおかしいと思っています。沖縄の人の思いは普天間基地の廃止、返還ですし、辺野古新基地建設反対です。実際に辺野古はまったく新しい機能を持った基地です。
新聞やマスメディアは、なぜそう書かないのでしょうか。日米安保条約に忖度しているからだと、私は思います。
市長選挙で、容認派市長に入れた人は基地には反対だが「反対しても工事は止まらない」から言う人が多いそうです。沖縄の人の圧倒的多数は基地建設反対だと思います。でも反対は市長でも国は無理やり工事を進めましたから、容認派市長当選で、安倍首相はいっそう大号令をかけるでしょう。
私は「アア、コレガバイコクドノネライカ」と思いました。米軍基地を沖縄に集中させて、本土の人間から日米安保条約の本質を隠し「基地問題は沖縄の問題」と思い込ませたのです。沖縄の人に対して「ウンメイ」だと逆らいようがない、とあきらめさそうとしています。
分断と目隠しの政治です。沖縄でおきていることは日本国中どこでも起きることですが、それは徹底して隠しています。
[毎日]2月8日「メディア時評」で山本章子(沖縄国際大非常勤講師)が「政府の米軍機事故対応を問え」を書いています。日米基地協定の問題に触れて、米軍は日本国中どこでも自由に離発着が出来るのです。(不時着も墜落も自由なのでしょう)そして事故があっても日本側は指1本触れることができない、となっていると指摘してます。
これを小さなコラムで書いています。
(続きは「その2」で)