2020年ベスト5映画投票(映画サークル投稿)

 いい映画と言うよりも好きな映画を選びました。ですから感動的な映画はありません。いずれも、かつて書いています。


短評を付けましたが、文末にもう少し書いたブログの日付を書きました。

市民映画劇場ベスト3

①『i-新聞記者ドキュメント-』②『芳華』③『テルアビブ・オン・ファイア』+『百円の恋』

市民映画劇場の作品は、それぞれに特徴を持ったいい映画と評価していますが、好みに応じて順番をつけると、自分の好きな映画の傾向がわかります。今回の映画は、新たなことを気づかせてくれた映画が上位に来ました。f:id:denden_560316:20210131224244j:plain

i-新聞記者ドキュメント-』は、ジャーナリズムの団結は難しい、国民の知る権利に基づくと言っても、記者は社員であり企業活動の枠内。それを超えるには何が必要か、望月さんの如く、空気を読まない、しつこく闘う。(20.10.24)

『芳華』は、検閲のある国、中国の映画をどう見るのか、監督は何を考えているのか。この映画では中越戦争とその後の文工団員の描く映像が答えだと。中国映画は香港の状況を見て考える。(20.8.21)

『テルアビブ・オン・ファイア』は私も含めて日本人はパレスチナに対する関心が低く、正確な報道はなく、イスラエルの軍事支配がこんなに酷いと知った。コメディにしたパレスチナ人の心の内はわからない。(21.1.8)

『百円の恋』は、力を出し切った試合の後に、自分を捨てた男とよりを戻すか、男からみるといかにも「つまらない男」としか見えないが、それに惹かれるのが女心かよと、彼女の心中に迷う。(20.11.14)

邦画ベスト5

①『罪の声』②『さよならテレビ』③『海辺の映画館』④『星屑の町』

 日本の現実を、どこかに写し取っているような印象を持つ映画たちです。

『罪の声』は劇場型犯罪と言われた「グリコ森永事件」をモデルに、謎解きの仮説を組み立てた。犯人グループをヒーローにせず、巻き込まれた子どもの悲惨な人生を描いたことがいい。(21.1.4)

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『さよならテレビ』はテレビ局内部のドキュメンタリー。非正規労働者、視聴率争い等に焦点をあてて現状を描く。「あゝテレビよ」と言う感じ。

(20.2.2)

『海辺の映画館』大林宣彦監督の遺作。向かいの島との狭い水道の畔に立つ故郷の尾道をイメージした田舎の古い映画館で上映される脈絡のない戦争の映画。なぜか思い出す映像ばかり。(20.9.12)

『星屑の町』は、地方公演を続ける売れないムード歌謡コーラスグループ「山田修とハローナイツ」の面々の悲哀を描いたコメディ。通俗的だからいい、同世代の男の生き方は琴線に触れた。(20.4.5)

洋画ベスト5

①『その手に触れるまで』②『ニューヨーク親切なロシア料理店』③『娘は戦場で生まれた』④『暗数殺人』⑤『私の知らないわたしの素顔』

 パンデミックは人間社会の有様が招いたもので、その要因を深く把握したいと考えます。これらの映画は、そこに通じる悲惨な現実の中に息づく人間性の良い面を感じさせてくれました。

『その手に触れるまで』は、ベルギーで生まれ育ったアラブの少年、イスラム原理主義に狂信的に嵌った彼の再生の可能性を肯定。強い。(20.6.29)

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『ニューヨーク親切なロシア料理店』はDVから逃げる母子を助ける奇妙な人々、袖すり合う程度の関係を保ちながら助け合う、さっぱりとした大都市の隣人愛に共感。(21.1.4)

『娘は戦場で生まれた』は、シリアの悲惨な戦場で、そこに留まりながら子どもを産み育てる女性の人生観が強烈。(20.6.29)

『暗数殺人』は、警察が認知しない死体なき殺人を追い求める刑事の正義が韓国に生まれていることに驚く。(20.4.19)

 『私の知らないわたしの素顔』の50代の美しい大学教授の振る舞いに魅了され、自分ではない自分を作り上げる、錯覚の魔力に溺れた。(20.4.19)