2021年10月に見た映画その1

『恐怖に襲われた街』『危険を買う男』『名もなき歌』『偽りの隣人 ある諜報員の告白』『ムッシュとマドモアゼル』『オ-!』『その手に触れるまで』『由宇子の天秤』8本ですが、そのうち4本はベルモント特集で見たものです。いわば軽いアクション映画でした。残りの4本は逆に重いテーマです。とりあえずベルモント映画と『名もなき歌』の紹介を書きます。

『恐怖に襲われた街』『危険を買う男』『ムッシュとマドモアゼル』『オ-!』

 ジャン・ポール・ベルモントはフランスの国民的な俳優です。美男子ではないですが、アクションもコメディもこなすフランス映画界の最も人気のある大スターでした。今回見た映画は社会派というものはありませんが、そういうものに出てもそれなりにこなすでしょうね。

 いずれもアクションが派手でした。セスナ機の屋根や地下鉄の屋根、階段落ち、乱闘、高層マンションの屋根を走り転げまわる、屋上からぶら下がる、窓に飛び込む等、どこまで自力でやっているのかわかりませんが、最近のCGではなく、特撮を使っている感じもない、ぎこちなく身を張ってやっています。

 見た映画は、あまり脚本が練られている感じがなく、安物のサスペンスドラマを派手にした感じでした。ちょっとがっかりです。

『恐怖に襲われた街』

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 パリに起きた娼婦などの連続殺人事件を追う刑事をベルモント。犯人を追ってパリの高層アパートの屋根を走り回るアクションが面白い。大勢の人がいるまちなかでの銃撃戦は「無茶苦茶な刑事」そのものです。最後は超高層マンションの窓にヘリコプターで近づいて、ド派手なアクション。特撮かスタントか本人か、よくわかりませんが、本人で特撮を使っているのでしょう。

 意外な犯人を作っているのがいいです。

『危険を買う男』

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 政府高官、警察などの当局から依頼を受ける、怪しげな一匹狼の事件処理男がベルモントの役。簡単なトリックで麻薬取引を邪魔するなどの事案が前振りで、不良少年を使って強盗、殺人を繰り返す男を探し出し捕まえるのがメインです。

 刑務所に潜入して、手先に使われた若者に話を聞きだして、真犯人に迫っていきます。最後は犯人の仕事場である飛行機で大乱闘となりました。

ムッシュとマドモアゼル』

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 ベルモントがスタント男優と同性愛の大スターの二役を演じる、しかも、そのスターに惚れられながら、自分が惚れたスタント女優を出演している監督と取り合う、というこんがらがった恋愛コメディ。ばかばかしいドタバタです。

『オ-!』

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 元カーレーサーが銀行強盗のボスになる話ですが、分かりにくい。主役以外のフランス俳優の人の顔をよく覚えられないのが、その理由かもしれませんが、内容もあまりよく覚えていません。

『名もなき歌』

 ペルーのドキュメンタリーのような映画でした。

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 1988年、貧しい妊婦を無料で診察し出産させると宣伝して、生まれた赤ん坊を持ち去るという事件を題材にした映画です。

 若い夫婦は、病院の関係者を必死で探しますが、先住民で有権者番号を持たない二人の訴えを、独裁政権の警察、裁判所も真剣には取り上げません。

 関心を持った新聞記者が調べ始めると、人身売買の秘密組織にたどり着きそうな感じになりましたが、真相は不明です。

 本筋は赤ん坊を取られた母の話でしょうが、若い夫婦、新聞記者を中心にして、その当時のペルー社会全体を描くような感じでした。ちょっとわかりにくい映画です。