神戸新聞正平調100821

どうも変な感じだ。標記の欄にロバート・キャパの「ドイツ協力者」と「抗日勢力を斬首する旧日本軍」の写真を並べている。私にはまったく分からない。「ドイツ協力者」にはナチスドイツがいたが、「旧日本軍」はまったくの当事者である。この2つの写真は告発しているものがまったく違う。それを「義」という言葉を使って並べることに違和感を覚える。
 「旧日本軍」の写真は8月15日に載ったということなので、その新聞を捜して、どのように報道されているのかを確かめた。写真を撮ったのは元兵庫県職員で公職追放を受けている。それ相当の身分と権力を持っていたのだろうが、一つの歯車である。
 しかしこの日の新聞を読んで、「新聞のアジア太平洋戦争への姿勢はこの程度か」と思った。社説は「『語り継ぐ』姿勢をもっと」と見出しをつけているが、その内容はあまりにも当然のことだ。しかし一番大切なことが抜けていると思う。それは端的にいえば「新聞の戦争責任」である。それを毎年毎年載せて、新聞社も読者も繰り返し思い出して、そして現在を姿勢を振り返ることだと思う。