またまた神戸新聞の失敗

4月15日夕刊で「識者談話 震災復興と経済」と題して竹中平蔵を載せた。見出しは「改革につなげる構想力を」とつけているが、相変わらず同じことを言っている。市場原理とアメリカ様だ。
 アメリカに日本を売れ、大企業の好きなようにさせろ、弱いものが死ぬのは仕方がない、と言っている。こんな人に構想などあるはずがない。それなのに神戸新聞は載せる。ばかか。
 「TPP対応型に農業を復興する」とは自己矛盾の言葉だ。TPPはアメリカが日本の米を潰すために利用しようしていることがはっきりしているのに、こんなごまかしを言う。しかも農協たたきもやっている。
 法人税減税も強調する。財界の幇間パソナの会長にしてもらった恩は忘れていない。復興財源には触れず、「民間財源を呼び込む」ために法人税減税をいう。しかしそんなことはありえない。財界は儲かるところにしか投資をしない。
 そして「『痛みを超えてやっていこう』と、指導者が発信しなくてはならない」と、底の割れた小泉フィーバーを呼び戻すようなことを言う。国民はまだまだ騙されると思っているのだろう。
 竹中が言うのは仕方がない。それを神戸新聞が載せることが許せない。
4月19日社説「日米連携 築き直した『絆』を大切に」では思いっきりアメリカを持ち上げた。クリントン国務長官は「揺るぎない支援を約束」「米国が官民挙げて日本を支えていく強い決意を表した」「今回の米国の対日支援は並みのものではない」日米関係は「震災後は『過去最高』の声が聞かれる」という。
 それで普天間を持ち出す。「このままでは普天間の現状が固定化しかねない」という。この記事はここが肝だ。
 しかしわかりにくくないか。震災の復興のためなら、政府が所有するアメリカ国債70兆円の一部を売ることを許せばいいので、それをさせないためにパフォーマンスであれば、クリントンの言葉は評価できないだろう。
 基地問題を忘れないためのものと言えば、この社説も評価できる。しかし、問題点を明確にしないマスコミは、やはりだめではないか。読者にストレイトに問題点を明らかにしない社説は何のために書かれたのか。わからない。