『バビロンの陽光』例会学習会

 市民映画劇場の2月例会学習会です。元日本経済新聞の記者嶋田邦雄さんからお話を聞きました。学習会のタイトルは「イラク戦争の事実と真実」でした。


色々と刺激になるお話しでした。そのうち、私の記憶に残った何点かを記しておきます。嶋田さんの言葉ではなく、私が感じた言葉と思ってください。
「報道された事実の背後にある事実」
 今、現在あらわれている表面的な出来事ではなく、底に至る軽課とか、歴史的な関係を考えると、事実が逆転して見えることもある。イラククウェート侵略は国際法違反だが、中東の成立の経過を見ないと、誰が真の犯罪者か見えてこない。
「ジャーナリズムも資本主義によって成り立っている」
 売れるということは新聞にとって必要で、国民の意向に沿った記事とかになりがちで、あるいは支配者の意向に沿った記事の傾向になるようだ。それを乗り越えるにはどうすればいいか
日本航空の解体は、国鉄の分割民営化と同じ面を持っている。それは闘う労働組合潰しを国家が行った」
 湾岸戦争の時に日航労組の中心的労組は、物資の運搬等を断った。それをさせないために、御用組合は多く作られたが、なおも良心的な組合は潰せなくて、国鉄を見習って、日航をつぶした。新聞も経営者や国の責任の追及よりも、働かない労働者とかストを行う労働組合を焦点とするようになった。
湾岸戦争の「油にまみれた海鳥」はCIAの策略」
 有名なCNNの映像は全てでっち上げられたもので、そのことは相当程度広まっているが、国民の記憶には強烈に残っている。
「本来の映画は、現実を再構築する」
 事実の報道が真実に迫らないことは多い。良い映画は作った映像ではあるが、その方が真実に迫ることが出来る。それは先に書いた背後にある事実、ということに関わってくる。
「東西冷戦の終結後の民族紛争は国際的な兵器産業の後押しがあった。それ以上に国際金融資本が求めた」
 なぜ地球上で戦火が絶えないのか。答えは簡単で、戦争がなくなると商売があがったりとなる人がいるということです。死の商人といわれる武器の売人です。アメリカが戦争が好きなのは、政府の要人がそこと密接な関係にあると思います。日本の財界もそこに入りたがっています。武器輸出を自由化したいといっていますし、民主党のその企業に関係する議員も武器輸出三原則をなく従っています。
 本当は民族も宗教も、戦争を求めていません。
ギリシアの危機でも儲けている人々がいる」
 南欧の民族性は遊んでばかりで、だから国が借金まみれと言いますが、世界一の借金国は日本で、わが国は過労死を持つ、死ぬまで働く民族です。だから借金と国民性は関係ないのです。
 財政危機ですが、それで儲けている人がいるということを考えるべきでしょう。その人によって財政危機は作られたといっていいと思います。
「新聞の労働組合は記者の報道の自由を守れていない」
 それはわかりません。でもいまや全国紙の社論は全てが消費税増税賛成、TPP賛成になっています。公務員給与削減賛成、比例区削減も賛成かもしれません。
 頼りは現場をきちんと取材している記者のみなさんです。彼らの記事がきちんと掲載されるためにも、新聞社の労働組合の役割は重要です。