「王女メディア」主演:平幹二郎

 神戸演劇鑑賞会の例会、2月13日に見た。その後、年上の友人と居酒屋で遅くまで飲んだ。いい気分になれた。


 ギリシア悲劇を、そのスタイルで上演したもので、平幹二郎の代表作らしい。ギリシア悲劇の演出に沿って、しかもそのスタイルで上演されるもので、確かに迫力もありました。熱演だと思います。
 話は、王女メディアが苦労を共にしてきた夫が、彼女を裏切って他の女に走ったことに腹を立てて、夫と自分の間に出来た子供二人を殺すというものです。
 現代的には異常殺人、狂気の女ということになりますが、ギリシア悲劇的には人間の業を強烈に現した悲劇となります。
 台詞回しも面白いし、そういう芝居としてみれば、一流の演者がでていますから、それなりに面白い、という感想になります。
 しかしせっかく演劇鑑賞会で見るのだから、1年に7本しか見られないのだからと思うと、なぜこの芝居を、なぜこのテーマを今取り上げるのか、という疑問を持ちます。
 子供の虐待が報道されない日はないと思うぐらい、現在の日本の子育て環境は問題です。この芝居とは無関係ですが、それを連想させる主題をこんな形で上演するのはなぜかと思いました。