6月例会『人生ここにあり!』

 15、16日と市民映画劇場で、参加者が約750人と採算点を越えました。神戸では三度目の上映で、少し心配しましたが、逆に口コミでいい映画だと、伝わっていたのかもしれません。
 この映画は見たものにそういわす魅力がある、そう人気があるのでしょう。

 私も2度目で、1回目で見つけられなかった、細かい描写に気づきました。よく練られ考え抜かれた良い映画です。
 最初から見てみると、ネッロが労組から追い出された原因です。はっきりと見せませんが、市場経済の中でも通用する労働運動をめざしていたようです。しかも映画ではネッロはベルリンゲル伊共産党書記長の葬儀(1984年)に出席します。彼が提起したソ連や「マルクス・レーニン主義」「プロレタリア独裁」の枠を超えるユーロ・コミュニズムに対し、ネッロがどんな考え方を持っていたのかはわかりませんが、具体的には労働協同組合での活動がそれを示していると思われます。
 そしてセックスをタブー扱いせず、娼婦にも相応の役割を与えています。ECCの助成金もそれに当てることが出来るという考え方で、我々日本人と少し違います。その夜は、ネッロもサラを相手に頑張るという、自然な流れでした。
 ジージョが自殺したときには彼の初恋の彼女も泣いていました。この映画は、ネッロとその仲間たちが主人公ですが、ネッロの彼女や彼のライバルである「資本家」も、そしていろいろと顔を見せる人たち(例えば院長、内装の職人、近所の女工たち、娼婦など)は良い役回りをしています。
 理事長も「にらみ」もきつかったりうれしそうだったり、暖かかったりと、そう見えてきます。
 いい映画でした。見逃したお方はDVDを借りてでも見られたら良いと思います。きっと感動します。でも映画館で、しかも市民映画劇場で見るほうがその10倍は感動すると、それはいっておきましょう。