『のぼうの城』『セブンデイズインハバナ』『我らの生活』『菖蒲』

 11月12月は忙しくて映画を見ることが出来ませんでした。例会以外では、この4本です。DVDは今井正のものを6本見たりしましたが、ちょっと残念でした。
 でも、それぞれに特徴があって楽しみました。まず『のぼうの城』ですが、ロケも大掛かりでりりしさと殺戮感が混ざって戦国時代の感じがありました。


 なにより佐藤浩市が、城代家老という、いい役回りで出たのがよかったです。父の三国連太郎が戦後の日本映画を代表するような傑作の主役、準主役(『越後つついし親知らず』『飢餓海峡』『切腹』『にっぽん泥棒物語』等)が目白押しなのに、彼は何もありません。
 石田三成率いる2万の豊臣軍を相手に500の兵で篭城したという実話を下敷きにした、痛快な娯楽映画でした。
 『セブンデイズインハバナ』はハバナにやってきた映画青年とか、その関係者の1週間をオムニバス風に描いています。ちょっとわかりにくい映画でした。


 あまり感想はありません。
 『我らの生活』は『セブン・・・』と同時にパルシネマで見たのですが、どうしてこの組合せなのか、ちょっとわかりません。これはイタリアの建設業界の内幕のような感じですね。


 最愛の妻をなくし、一人で子どもを育てる男が、何を思ったか建設会社を興し、マンション建設の下請けに入るという話です。移民労働者を使い、彼らを人間扱いしない現場労働を描きます。失敗を彼らに押し付けることに、あまり罪悪感を感じていないようです。
 イタリアはこうなっているのでしょうか。
『菖蒲』はアンジェイ・ワイダ監督ですから、見なければという思いでいきました。


 劇映画を撮っている現実と、女優の私生活、そして劇映画という三層構造になっています。
 劇映画は第二次大戦後、子どもをなくした女が末期的な癌に冒され、若い男とふれあいを持つ話です。それを撮りながら、突然、女優の私生活とか映画撮影風景にまではみ出るという企画です。ちょっとよくわかりません。