新聞の記事(12月から1月]

 きわめて大雑把なタイトルにしました。まとまった話が出来そうになく、思いつくままに新聞記事を読んだ感想を書き連ねます。
[産経]の品位
 [産経]はあまり読まないし、まともに論評しようとも思っていない(佐伯啓思さんは別)のですが、あまりに酷いと思ったので書いておきます。
 1月25日[産経]の「オピニオン」という有識者が賛否を闘わせるコーナーで、「自衛隊国防軍化」というテーマで五十嵐仁先生が出ています。もちろん反対の立場です。そこに掲載している写真が酷いのです。一方の[産経]の意に沿う佐瀬昌盛さんは前を向いて大きく目を開いているのですが、五十嵐先生はうつむいて目を閉じているような写真を載せているのです。
 意見の賛否は別にして、写真だけでこのような取り扱いに差をつけるのは、品位が問われます。
 もちろんカメラマンが来て何枚も写真を撮っているのですから、まともに前を向いたものがないはずがありません。
[毎日]映画記者の反省
 1月22日[毎日]「記者の目」に「映画の発展と活性化のために」「求められるオリジナルな記事」という見出しがありました。それは昨今の映画記事が「映画の魅力を紹介しきれていない」という反省の文章です。そして「これからの映画記事に求められるのは、他人の言動を紹介するだけではなく、しっかりとした取材に基づくオリジナルな仮説と展開、そして評価なのではないか」といいます。
 オリジナル記事は必要です。最近の映画記事は主演俳優や監督を取材して、彼らの主張を載せて映画の紹介にしているのが多いから、記者の眼で書くことは大変重要です。しかし『007スカイフォール』の大ヒットを喜び、『最強の二人』のロングランを評価しているようでは困ります。
 映画記者はたくさんの映画を見て、その映画のポイントを押さえた紹介記事を書いて鑑賞眼を養ってもらいたいと思います。その上で好き嫌いはあってもいいのですが、大ヒット作品だから良い映画だというのではなく、新聞の映画記事として紹介するべき映画を考えてほしいと思います。
 大手映画会社の宣伝記事と変わらない記事を書いているようでは情けないでしょう。
小説家の資質
 小説家は自由業だから政治的な発言はするし、政党支持も言う場合もある。[赤旗]には共産党を支持すると言う小説家の名前が載る。そこまではっきり言わなくても、国政の重要な問題である安保条約や憲法9条改正等に対する態度で、その資質がわかる。
 今回の選挙で意外な小説家が新聞に載った。一人は[神戸]の「選択の視点」に玉岡かおるさんが発言していた。「原発ゼロ」に反対していたし民主党に批判的だった。
 それはまあいいとして「リーダーシップという点では日本維新の会橋下徹さんは支持できる」といっていた。この人の本は読んでいないが、その程度だ。
 意外だったのは今野敏さんだ。「東京湾臨海署安積班」シリーズで最近売れてきて、私も3,4冊読んでいるが、彼は明確に原発反対だった。今から23年前の参議院選挙で「原発要らない人々」というミニ政党の比例区で立候補したそうだ。立派。これからも読み続けます。